2022年のAndroidスマホはiPhone13シリーズに性能面で勝てるのか?

Dimensity 9000の画像

Dimensity 9000の画像
 
Snapdragon 8Gx Gen1、Dimensity 9000、Exynos 2200というAndroid向け新型フラッグシップ システム・オン・チップ(SoC)を搭載したスマートフォンの登場を間近に控え、iPhone13シリーズとの性能比較に注目が集まっています。
 
果たして、これらの新型Android向けSoCは、AppleのA15 Bionicに勝てるのでしょうか?Notebookcheckが考察をおこなっています。

製造プロセスはAndroid向けSoCのほうが上

SoCの性能や消費電力を決める基礎となる半導体製造プロセスについては、後発のAndroid向けSoCのほうが有利です。
 
A15 BionicがTSMCの5nmプロセスで製造されるのに対し、SnapdragonExynosはSamsungの4nmプロセス、DimensityはTSMCの4nmプロセスで製造されます。
 
一般的にはプロセスの微細化が進むほど性能や消費電力の面で有利です。

CPU性能はA15 Bionicのほうが上?

一方、CPU性能についてはA15 Bionicのほうが上だろうとNotebookcheckは考えています。
 
A15 BionicについてAppleは競合製品よりも50%高速であるとしており、Anandtechも実測でSnapdragon 888より62%速いとしています。
 
これに対しArmは、Android向け新型フラッグシップSoCが搭載するArmv9アーキテクチャのCPUコアについて、Snapdragon 888などのArmv8アーキテクチャに比べ、「30%以上の性能向上」としています。
 
MediaTekもDimensity 9000の発表の場において、Snapdragon 888に対して35%の性能向上率としました。
 
これらの情報から、CPU性能においてAndroid向けSoCはA15 Bionicに勝てないだろうとNotebookcheckは述べています。
 
Android向けSoCが汎用品のCPUコアを使っているのに対し、Appleは莫大な研究開発費を投じて独自のCPUコアを開発しており、その差が出たものと考えられます。
 
Qualcommもこの点は認識しており、高速CPUコア開発を手がけるNuviaを買収し、AppleのM1/M2チップに対抗できる製品をリリースすることを宣言しました。

GPU性能もA15 Bionicのほうが上?

CPUとともにスマートフォンの性能を決める大切な要素であるGPUについても、NotebookcheckはA15 Bionicのほうが高速であると考えています
 
AMDと共同開発された高速GPUを搭載するExynos 2200ですらA15 Bionicに及ばないとされており、SnapdragonやDimensityはExynos 2200よりも劣るだろうというのがその根拠です。

現状の情報からはiPhoneのほうが有利?

実際の性能比較はすべてのSoCを搭載したスマートフォンがリリースされてからとなりますが、現状の情報からは2022年のフラッグシップスマートフォンの性能争いは、AndroidよりもiPhoneのほうが有利であるようです。
 
Snapdragon 8Gx Gen1を搭載したスマートフォンは今年12月に、Dimensity 9000とExynos 2200を搭載したスマートフォンは2022年2月に登場するといわれています。

 
 
Source: Notebookcheck, Anandtech
(ハウザー)
 
 

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この記事を書いた人

本職はSoCの設計者。このためPCやスマホのHW/SW両方に造詣が深く、その知見に基づいた記事を執筆している。スマホ歴はiPhone4→(Android)→iPhone XR→13 Pro。

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