JDI、政府系ファンドから750億円調達~AppleへのOLED供給目指し加速

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政府系ファンドの産業革新機構は21日、ディスプレイ開発を手がけるジャパンディスプレイ(以下:JDI)に対し、750億円の追加支援を行うと発表しました。有機EL(OLED)競争で立ち遅れる同社のテコ入れが狙いとされています。

政府系ファンドの援助で資金問題を解決

JDIは今回入手した資金で、OLEDの技術開発を加速させ、Appleや中国ベンダーとの提携を拡大する方針を固めています。手始めに、有機ELの開発会社JOLEDの株式を産業革新機構から2017年9月までに譲り受ける形で子会社化し、OLEDの開発をさらに推し進める予定です。
 
現在、スマートフォン向けのOLEDディスプレイ市場はSamsungの一強状態にあると言っても過言ではなく、Appleが2017年に発表を予定しているiPhone8(仮称)もSamsung製のOLEDディスプレイが搭載されると考えられています。
 
従来の主流だった液晶ディスプレイ(LCD)からOLEDに市場の関心が移り変わっていくなかで、シャープを有するFoxconnやLGなども熾烈な開発競争に身を投じていますが、資金面で難のあるJDIは高い技術を有していながらも、競争に立ち遅れてしまっているのが現状です。

今後もAppleとの蜜月関係を築けるかが鍵

最近のJDIは、中国ベンダーであるHuaweiやOPPO、Vivoからの受注によって息を吹き返しつつありますが、頼みの綱はやはりAppleからの受注でしょう。
 
それは、2016年第2四半期の営業利益が34億円の赤字だったのにもかかわらず、iPhone7へのパネル供給で、一気に第3四半期が12億円の黒字、第4四半期の見通しが100億円の黒字と大幅に回復するという現状の収益構造からもうかがえます。
 
それだけに、JDIとしては、中心となって従来のiPhoneに供給していたLCDディスプレイに続き、今後も何としてでもAppleからの注文を勝ち取っていきたいはずです。またAppleとしても、Samsungへの一社依存はコスト面から回避したいと考えていると思われます。
 
千葉県の茂原工場に500億円を投じ、2018年以降に本格生産を開始する計画をJDIはすでに発表していますが、同年のiPhone8s(仮称)から再びJDIがAppleの主力サプライヤーとして息を吹き返すことができるのかどうか、今回の大型追加支援で注目が集まります。
 
 
Source:時事通信,日本経済新聞
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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