Apple Vision Proは身近なコミュニケーションの障壁に?体験者は語る
Appleの複合現実(MR)ヘッドセットVision Proは離れたところにいる相手との共同作業や執刀医の手助けなど果たす役割は大きいですが、身近にいる人にとってはコミュニケーションの妨げになっている、と体験談が投稿されています。
Apple Vision Proは一家に一台まで
WIREDに投稿された「Apple Vision Proの外側の私の生活(My Life Outside of the Apple Vision Pro)」と名付けられたエッセイでは、Vision Proを購入してからというもの、パートナーの男性のコミュニケーションがどのように変わっていったかが克明に記されています。
ブレンダ・ストーリア氏によれば、まずVision Proはその価格のせいで一つの家につき買えるのは1台となってしまい、このことが問題をはらんでいるとのことです。
というのも、Vision ProはMetaのQuestなどとは異なりユーザーごとに高度なカリブレーション(調整)が行われるため、簡単に取り外して他の人に使用させるといったことが非常に困難であるとのことです。そのため、身近な人と体験を共有するのはかなり難しくなってきます。
EyeSightはやはり失敗しているコンセプト
Apple Vision Proの着用時に外の世界と交信したいとき、ユーザーの目が外側に立体に映し出される機能をEyeSightといいますが、この機能は以前から報告されていたようにある特定の環境下でしかうまく機能せず、ほとんどの場合役に立たないそうです。
いっしょの空間のいる相手がいつの間にかヘッドセットを着用しており、その状態でコミュニケーションを試みても意思疎通できているという感覚が持ちにくいとのことです。
少しでも努力しなければならない時点でアウト?
ストーリア氏いわく、Apple Vision Proが家に来てからというもの、その使用者とコミュニケーションを取る際に若干の努力が必要となってしまい、それが致命的であるとのことです。というのも、iPhoneやその他のデバイスではそのような努力はまったく不要だからです。
それでもパートナーの男性のVision Proへの興味が次第に失せてきているのが唯一の救いである、とストーリア氏は述べています。
日常生活での使用を念頭に置かれて開発されたVision Proですが、今のところ身近な人とは不自然なインタラクションしか生み出せていないというのが正直なところのようです。
Source: WIRED
Photo: Apple/YouTube