JDI、ついに有機ELパネル生産に向け本格始動―iPhoneへの供給目指す

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    ジャパンディスプレイ(以下:JDI)が、新たに500億円を投じ、2017年春に有機ELパネルの生産ラインを立ち上げる予定であることが分かりました。アップルが早ければ2017年からiPhoneを有機ELに変えるとの観測を受けてのものです。

    ついに生産に向けて本格始動

    日本経済新聞によると、JDIは主力拠点の一角である千葉県の茂原工場に500億円を投じ、有機ELパネルの本格生産を行うようです。パネル生産に必要な全工程を同工場で担うべく、17年春より生産ラインを試運転し歩留まりを向上させ、18年以降に投資をさらに上積みして本格生産を開始するという段階的なアプローチで臨みます。
     
    これまでもJDIは14年春から有機ELについて小型の試作ラインを設け量産技術の研究開発を進めてきましたが、水準が一定に達したと判断したことで、今回の本格投資に踏み切ることとなりました。

    韓国勢にどこまで追いつけるか

    もともと有機ELは日本が卓越した技術を有しており、1990年代にはソニーが先導して技術を蓄積してきましたが、巨額の開発費が必要だったこともあり、2000年代後半になるとサムスンやLGといった韓国勢に追い抜かれてしまう状態が続いていました。特に今ではサムスンが一強という状況で、iPhone7s(仮称)から採用予定の有機ELパネルは、LGを加えた韓国勢が中核となって請け負うと目されています。
     
    一方でJDIは、これまでLCDパネルをiPhone用に卸してきましたが、サムスンやLGと異なって有機ELディスプレイの量産実績はないため、IGZOを武器にサプライヤーとして参入を計画しているFoxconnとともに、次世代ディスプレイのサプライヤーとしては「後発」扱いとなってしまいます。
     
    とはいえ、技術力では他企業を圧倒しているとも言われており、アップルやその他の企業から資金的なサポートを得ることに成功すれば、今後サムスンとLGの2党体制に食い込んでくる状況も十分想定されています。
     
     
    Source:日本経済新聞
    (kihachi)

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