AMDとMediaTek、ジョイントベンチャー設立?~ノートPC向けSoC開発で協業

AMDとMediaTekの画像

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パソコン向けCPUおよびGPU大手のAMDと、スマートフォン向けシステム・オン・チップ(SoC)シェア首位のMediaTekが、共同でジョイントベンチャーを設立するという情報が入ってきました。
 
ノートPC向けのSoC開発のためと考えられており、将来的にはAppleのM1チップをはじめとするAppleシリコンに対抗する製品を展開するつもりかもしれません。

MediaTekの5Gを含む無線通信技術を利用したいAMD

AMDはこの協業により、MediaTekが持つ5G通信を含む無線通信技術を利用したいと考えているようです。
 
ライバルであるIntelやQualcomm、Appleに比べて、AMDは無線通信技術を持っていません。
 
これからのノートPCでは無線通信技術が必須であり、そこを補完するためにMediaTekとのジョイントベンチャーを計画しているものと考えられます。
 
一方、MediaTekにはGPU開発技術がなく、この協業によりAMDの高性能GPU技術を使えることが魅力です。
 
すでにAMDはRZ608という名称で、Wi-FiコントローラであるMediaTekのMT7921Kを一部の新しいノートブックモデルに採用しており、両社は小規模ながらもすでに協力関係にあるそうです。
 
DigiTimesはこのジョイントベンチャーが2024年までにWi-Fi、5G通信、高帯域幅の有線接続を統合した初のノートPC用SoCを展開すると予想しています。

将来的にはArmベースのソリューションでAppleシリコンに対抗?

AMDは最近、Armベースのカスタムソリューションを顧客に提供する準備ができていると述べており、将来的にはx86ベースではなくArmベースのSoCでAppleシリコンに対抗するソリューションを出す可能性があります。
 
この場合、MediaTekのカスタムArmコアをAMDのGPUと組み合わせて使うことを考えているのかもしれません。
 
MediaTekは2021年にスマートフォン向けSoC市場でシェア首位となるとみられ2021年第2四半期(4月~6月)には43%ものシェアを獲得しました。
 
また、NVIDIAとともにChromebook上で本格的な3Dゲームを動作させるデモをおこなっています
 
一方、AMDはSamsungの次期フラッグシップSoCであるExynos 2200にGPUを提供するといわれています。
 
AMDはまた、FPGA大手のXilinxを買収するなど、積極的に事業を拡大しようとしています。

 
 
Source: DigiTimes via Notebookcheck
(ハウザー)

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この記事を書いた人

本職はSoCの設計者。このためPCやスマホのHW/SW両方に造詣が深く、その知見に基づいた記事を執筆している。スマホ歴はiPhone4→(Android)→iPhone XR→13 Pro。

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