MediaTek、スマホ向けSoC市場で過去最高の43%のシェアを獲得~2021Q2

2021年第2四半期(4月~6月)におけるスマートフォン向けシステム・オン・チップ(SoC)市場において、台湾の半導体メーカーであるMediaTekが過去最高の43%のシェアを獲得しました。
一方、5G通信向けベースバンドプロセッサ市場ではQualcommが過半数の55%のシェアを獲得しています。
Qualcommに19%ポイントの差をつけたMediaTek
調査会社のCounterpointによると、2021年第2四半期におけるスマートフォン向けSoCの出荷数は前年同期比31%増を記録しました。
特に5G通信対応スマートフォン向けの需要が高く、5G通信対応スマートフォンの出荷台数は前年同期比で約4倍に成長したとのことです。
メーカー別のシェアではMediaTekが前年同期の26%から43%にシェアを伸ばし、首位となりました。
MediaTekは競争力の高いローエンドおよびミドルレンジ向けの5G通信対応スマートフォン用SoCを武器にシェアを大きく伸ばしています。
また、Qualcommに比べて供給面での制約が少なかったこともシェアを伸ばせた要因の1つです。
Qualcommは部品供給の制約やファウンドリでの歩留まり(製造したチップのなかの良品の割合)低下の影響を大きく受け、MediaTekに19%ポイントもの差をつけられました。
2021年第2四半期後半にQualcommはTSMCを含む複数のファウンドリで分散して生産能力を確保したといわれ、今後はMediaTekに奪われたシェアを取り戻すとみられています。
Appleは好調のiPhone12シリーズの需要を背景に、14%のシェアで3位を維持しています。
中国の半導体メーカーであるUNISOCはシェアを2倍以上に伸ばしました。
5G通信向けベースバンドプロセッサ市場ではQualcommが首位
一方、5G通信向けベースバンドプロセッサ市場では、Qualcommが55%のシェアを獲得し首位となっています。
QualcommはAppleのiPhone12シリーズのベースバンドプロセッサを供給しているほか、フラッグシップのSnapdragon 8xxシリーズからリーズナブルな4xxシリーズまで大きな需要があったのが好調の要因です。
供給や歩留まりの問題がなければQualcommはより多くのチップを出荷したであろうといわれています。
Source: Counterpoint
(ハウザー)