Apple、Intelと5Gモデム事業の買収で合意間近か、WSJ報道
AppleがIntelのスマートフォン向けモデム事業の買収に向けて交渉しており、早ければ来週にも交渉がまとまる、と現地時間7月22日付けのThe Wall Street Journal(WSJ)が報じています。
Appleが5Gモデムを自社開発可能に
AppleとIntelの交渉は、Intelが事業売却を発表したスマートフォン用モデムチップ事業を巡るもので、両社の交渉がまとまれば、Appleは5G用モデムチップを自社の技術で製造可能となります。
買収額は約10億ドル(約1,080億円)とみられますが、Appleの潤沢な現金資産と、次世代通信技術の重要性を考慮すれば買収額は誤差の範囲内だろう、とWSJはコメントしています。
Apple関連情報の正確さで知られるアナリストのミンチー・クオ氏は、2020年に2モデルのiPhoneが5Gに対応し、2022年か2023年にはAppleが自社開発した5Gモデムを搭載したiPhoneが発売される、との予測を発表しています。
AppleとQualcommの和解後、Intelは事業撤退を発表
5G用モデムの開発では、Qualcommが業界をリードしています。
しかし、取引条件などをめぐってQualcommとAppleは訴訟合戦を繰り広げていたため、AppleはIntelの5G用モデムを調達する計画だったものの、Intelの開発スピードにAppleは満足していなかったと伝えられています。
2019年4月に、AppleとQualcommは和解して訴訟を取り下げたことで、iPhoneにQualcomm製モデムチップを搭載可能となり、2020年には5G対応のiPhoneが発売されるのではないかと予測されています。
AppleとQualcommの和解発表の直後、Intelはスマートフォン用5Gモデム事業からの撤退を発表、6月下旬には知的財産を競売にかけると報じられ、先日「特定の買い手と交渉に入った」と伝えられていました。
Apple、以前からIntelのモデム事業買収に強い関心
Appleは以前からIntelのモデム事業の買収に強い関心を持っていた、と伝えられています。
Qualcommとの和解前から、Intelのモデム事業買収を検討していたほか、Intelのモデムチップ開発責任者を引き抜いた、と報じられています。
Source:The Wall Street Journal
Photo:Intel/YouTube
(hato)