2020年のiPhoneは4モデル登場か〜上位版は5G&ToFセンサー対応
2019年のiPhone発表が間近に迫っていますが、すでに一部のアナリストは2020年のモデルを見据えて様々な予測を立てています。投資銀行JP Morganは、2020年秋に登場するiPhoneについて有機EL(OLED)ディスプレイ搭載で5Gに対応した3モデルのほか、価格を抑えたモデルが登場するとの予測を発表しました。
AR/VR目的でToFセンサーを採用
JP Morganのアナリスト、サミック・チャタジー(Samik Chatterjee)氏は投資家向けレポートで「2020年のiPhoneは4モデルになる」との大胆な予測を打ち出しました。
3モデルはそれぞれ5.4インチ、6.1インチ、6.7インチのOLEDを搭載し、どれも次世代通信規格5Gに対応しています。このうち少なくとも上位2モデルは、拡張現実/仮想現実(AR/VR)のためにToFセンサー(Time of Flight:光が反射する時間を測定して3次元情報を計測)技術がメインカメラで利用できるようになる可能性があるそうです。
現行のTrueDepthカメラ(インカメラ)も顔を3D測定できますが、光の飛行時間を測定するToFと異なり、ストラクチャードライト(構造化ライト:Structured Light)という方式を採用しています。これは赤外線ドットを格子状にしたものをユーザーの顔に投影し、格子の歪みから形状を立体的に測定する仕組みです。
ストラクチャードライトと比較して、ToFは距離の離れた対象物の測定やデータの描出に優れていると考えられており、ユーザーだけでなく周囲の環境も立体的に読み取ることが可能になります。
4.7インチの廉価版iPhoneが登場
ディスプレイサイズの並びについては、著名アナリストであるミンチー・クオ氏の予測と一致します。サミック・チャタジー氏の予測が異なるのは、現行の3モデル展開(通常版のiPhone XS/XS Max、廉価版のiPhone XR)ではなく、2020年は4モデル展開としている点です。
チャタジー氏はiPhone8(4.7インチ)と同じサイズで、5G非対応か液晶ディスプレイ(LCD)搭載の廉価版iPhoneが登場するとし、Appleが「最近発表したものよりも更にお値打ちなカテゴリー」からリリースされると予測しました。つまり、通常版iPhone(iPhone XS/XS Maxに相当)が2モデル、通常版よりは若干安価なiPhone(iPhone XRに相当)、そして小型の廉価版iPhoneが安価で入手できるようになるイメージでしょうか。この小型iPhoneについては、投資銀行Barclaysも「iPhone8をベースとしたiPhone SE 2」としてレポートで言及しています。
2018年 | 2020年 | ||
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iPhone XS | 5.8インチ | iPhone12(?) | 5.4インチ |
iPhone XS Max | 6.5インチ | iPhone12 Max(?) | 6.7インチ |
iPhone XR | 6.1インチ | iPhone XR3(?) | 6.1インチ |
iPhone8 (2017) |
4.7インチ | iPhone SE2(?) | 4.7インチ |
モデルを増やす理由については、Appleの「消費者の多様なニーズを汲み取って多くの需要を喚起する」戦略の一環だと思われます。
なお、チャタジー氏は“5G効果”で2020年のiPhone販売台数が1億9,500万台になるとし、2019年の1億8,000万台から増加すると見込んでいます。
Source:CNBC,TechTheLead
Photo:Twitter-@BenGeskin
(kihachi)