ペアレンタルコントロールアプリ開発者団体、AppleにAPI策定を要求

    parental control app

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    iPhoneなどに向けてペアレンタルコントロールアプリを提供する開発者らが一団となり、完全な機能を備えた同アプリが開発できるよう、Appleに対しAPIの策定を要求しています。

    アプリがApp Storeから締め出されている

    4月末、米紙The New York Timesは、Appleがスクリーンタイム機能やペアレンタルコントロール機能を持つアプリをApp Storeから締め出していると報じました。
     
    一方Appleは、これらのアプリは、モバイルデバイスマネジメント(MDM)をユーザーのデバイス上にインストールしており、この行為が「ガイドラインに違反する」ためにApp Storeから削除したと説明しています。
     
    Appleはさらに先日、App Storeの理念や取り組みを公開しており、これは米国欧州で起きている「App Storeが独占禁止法に違反する」という訴えや、アプリ締め出し報道への反論とも受け取れます。

    自社のペアレンタルコントロール機能優遇が狙い?

    米メディアThe VergeはAppleの対応について、2つの解釈ができると説明しています。今年1月に、Facebookが秘密裏にiPhoneユーザーにVPNアプリをインストールさせていた一件以来、Appleが外部によるユーザーデータの利用に神経を尖らせているというのがひとつ。もうひとつはAppleが自社のスクリーンタイムおよびペアレンタルコントロール機能を優遇しようとしている、というものです。
     
    世間一般的には2番目の解釈のほうが優勢であり、ペアレンタルコントロールアプリ開発者たちの主張の背景にあるのもこちらの解釈です。
     
    アプリ開発者らはWebサイトを作成するとともに、自分たちのアプリがAppleデバイス上で正しく機能するためのAPI仕様を考案、Appleに採用を訴えています。

    訴えのきっかけは「iPodの父」

    この訴えのきっかけのひとつとなったのが、Appleの元幹部で「iPodの父」と呼ばれるトニー・ファデル氏の発言でした。ファデル氏は4月、前述の「Appleがペアレンタルコントロールアプリを締め出している」というNYT報道に対し、「もしそれが真実なら由々しき事態だ」とし、ユーザーが多様なアプリから選べるようにすべきとツイートしています。
     


     

    ファデル氏はまた、AppleはAPIを策定し、開発者が完全な機能を備えたアプリを開発可能にするとともに、そのアプリがほかのOS上でも動作するようにするべきだとも主張しています。
     
    現地時間の月曜日にいよいよ世界開発者会議(WWDC 19)が開幕しますが、Appleが期間中にこの件について何らかのコメントをする可能性はあります。

     
     
    Source:The Verge
    (lunatic)

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