Appleはスクリーンタイム機能のあるアプリをApp Storeから締め出している?


 
AppleがiOS12で導入した「スクリーンタイム」ですが、他社製アプリで同様の機能を持つものも存在しています。デバイスの使用時間や一定のサイトやアプリへのアクセスを制限するペアレンタルコントロール機能のあるアプリも多々ありますが、それらのアプリがApp Storeから締め出されている、とThe New York Timesが伝えています。

人気スクリーンタイムアプリ17個のうち11個がストアから除外もしくは機能制限

The New York Timesとアプリデータ企業Sensor Towerによれば、Appleはここ1年の間に最もダウンロードされている17個のスクリーンタイムもしくはペアレンタルコントロールの機能を持つアプリのうち、最低11個にApp Storeから除外措置を施すか、制限を加えたとのことです。
 
また、いくつもの知名度の低いスクリーンタイムもしくはペアレンタルコントロールを持つアプリも規制を受けたとされています。
 
ペアレンタルコントロール機能をアプリから取り除くよう強要された開発者もいれば、アプリ自体をApp Storeから削除されてしまった人もいるようです。

何の前触れもなくいきなりアプリを削除

App Storeから収益の80%を得ていた大手ペアレンタルコントロールアプリOurPactもApp Storeから締め出されたアプリのひとつです。
 
「何の忠告もなくいきなり放り出された」と、アプリ企業を運営するアミール・モウサビアン氏は語っています。「彼らは組織的に(ペアレンタルコントロール)業界をつぶしている」
 

OurPact

Appleは本当にユーザーのデバイスの使用時間を減らすつもりがあるのか

Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、昨年の米メディアのインタビューで「ユーザーには満足して欲しいと思っているが、多くの時間をデバイスに費やして欲しいとは思っていない」と、スマホ中毒を懸念する旨の意見を述べており、今年4月のイベントでも繰り返し「スマホを片時も離さずずっと使って欲しくはない…それが目的だったことは一度もない」とコメントしましたが、Appleの他社製スクリーンタイムアプリの締め出しはクック氏のスタンスと相反しているように見えます。
 
77万ダウンロード以上を誇っていたスクリーンタイムアプリFreedomを昨年の8月にApp Storeから削除されたアプリ運営者のフレッド・スタッツマン氏は、「Appleが本当にユーザーのスマホの使用時間を減らしたいと思っていると思うか?」と疑問を投げかけています。
 
ペアレンタルコントロール機能を持つ2つのトップアプリKidsloxとQustodioは先週、ヨーロッパ連合の競争総局に苦情を申し立てました。Kidsloxは、Appleからアプリ機能をApple公式の「スクリーンタイム」機能よりも劣るような形に変更するよう強要され、その結果収益が減少したと主張しています。
 
 
Source:The New York Times
Photo:Apple, OurPact
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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