Apple、iPhone修理の「待ち時間」も再定義。改装進む直営店

Apple Storeは、その役割と姿を変えつつあります。iPhoneの大ヒットは、修理やサポートを求める来店客の増加をもたらし、サポートを担当するGenius Barのスタッフの負担が増していました。リニューアルを進める新型店舗は、顧客の「待ち時間」も再定義しています。
Apple Storeに押し寄せる来店客
Apple Storeの技術サポートを担当するGenius Barは予約制ですが、毎日、iPhoneなどの製品のサポートを求めて、多くの来店があります。予約なしに訪れる顧客も少なくありません。
また、携帯電話キャリアでiPhoneを購入しても、AppleCare+を購入した顧客は、修理サービスやサポートを求めてApple Storeに来店します。
Apple Storeのスタッフは、来店客の対応にかかった時間を計測するシステムで業務パフォーマンスを測定されており、サポートを求める多くの来店客が押し寄せる中で、ジーニアスたちは強いプレッシャーにさらされているそうです。
一部には、「Apple StoreはiPhoneの大成功の犠牲者」とも言われているそうです。
限界を迎えつつあるカスタマーサービス
アメリカのあるApple Storeに「ジーニアス」として7年間勤務するスタッフは、「現在のカスタマーサービスは限界にきている」と、匿名を条件にBusiness Insiderに語りました。
Appleは、ジーニアスたちの負担を分散させるべく、iPhoneの修理に特化した「テクニカル・エキスパート」という役職を新設しました。
サンフランシスコ市中心部のユニオンスクエアを皮切りに、続々とリニューアルされる旗艦店舗は、店内のレイアウトが従来とは大きく変わっています。多くの椅子が配置された広々としたスペース、大きな観葉植物、そして店内で製品の使い方や音楽制作などを無料で学べる無料講座「Today at Apple」のスペースが設けられています。
クックCEO「販売は、店舗のごく一部の機能でしかない」
先日、アメリカのシカゴ市の一等地にオープンした旗艦店舗についてティム・クック最高経営責任者(CEO)は、「製品の販売は、店舗の機能の小さな一部に過ぎない」と語っています。
修理や検査のために製品を預けた顧客には、目の前で待ってもらうのではなく、緑の配置された広々とした店内を見て回り、「Today at Apple」で製品の使い方や写真撮影を学んでもらうことで、店舗での体験を変えようとしているのです。
顧客が待ち時間の退屈と苛立ちから解放されることは、顧客はもちろん、Apple Storeのスタッフにとってもハッピーなことです。
Apple渋谷はリニューアルのため休業予定
東京・渋谷のApple渋谷が11月26日から当面の間、店舗リニューアルのため休業することが発表されています。
改装後のApple渋谷が、私たちユーザーにどんな体験を提供してくれる場所として帰ってくるか、楽しみですね。
Source:Business Insider
(hato)