iOS14の「探す」アプリ、サードパーティーに開放も条件が厳しすぎ〜米紙報道
iOS14では、Tileなどのサードパーティー製品が「探す」アプリに対応すると発表されていますが、Appleの仕様書が厳しすぎて問題がある、と米紙The Washington Postが報じています。
厳重な機密保持を課される、50ページに及ぶ仕様書
Appleは、iOS14で「探す」アプリがサードパーティー製アクセサリに対応すると発表しています。
そのため、Tileなどのサードパーティー製紛失防止タグをiPhoneの「探す」アプリでも使用可能になると期待されていますが、Appleが公開した仕様書を入手した米紙The Washington Postが、サードパーティーに課す条件が厳しすぎる、と報じています。
サードーパーティー製アクセサリが「探す」ネットワークにアクセスするための条件が記された仕様書はPDFファイルで50ページに及びます。入手には、機密保持の同意書へのサインが必要です。
The Washington Postの情報源となった匿名の人物によると、今回の機密保持条件の内容は、これまでAppleが未公開ソフトウェアの提供時に求めてきたものよりも厳しい、と述べています。
問題1:独自サービスとの併用を禁止
問題の1つは、「探す」ネットワークに接続したデバイスは、サードパーティーの提供するサービスに接続が禁止されていることです。
例えば、Tileを「探す」アプリに登録すると、Tileが提供するアプリで持ち物を探すことができなくなります。
これは、HomeKit対応製品がiPhoneだけでなく、AmazonのAlexaなどの他社プラットフォームでも操作可能となっているのとは対照的です。
Appleの広報担当者はThe Washington Postに対して、この仕様は独自で位置情報サービスを提供できない小規模企業に有益なもので、独占禁止法上の問題はない、とコメントしています。
問題2:Bluetoothへのアクセスに制限
2つ目の問題は、サードパーティー製品からiPhoneなどのBluetoothへのアクセスが制限されている点です。
サードパーティー製品がBluetoothにアクセスするには、特定の条件をクリアする必要があるものの、Appleは現時点で具体的な条件を明かしていないそうです。
Tileは米国と欧州の議会に訴え
iOS13では、サードパーティー製アプリによるBluetoothの使用や位置情報の取得についてユーザーに確認するメッセージが表示されるようになりました。
Tileは、AppleがiOS13の仕様変更でユーザーを混乱させ、サードパーティー企業を排除しており独占禁止法上の問題がある、として2020年1月にはアメリカ、5月にはヨーロッパで申し立てを行なっています。
Appleは独自開発の「AirTags」を開発中との噂
Appleは、独自開発の紛失防止タグ「AirTags」を開発中と噂されています。
最近は、iOS14を解析した開発者が、「探す」アプリから電池交換式などの仕様を示す日本語のメッセージや、製品名を含むメッセージを発見しています。
Source:The Washington Post
Photo:Apple
(hato)