早ければiPhone12で指紋認証復活〜鍵はJDI?

2020年にiPhoneが指紋認証を搭載するのではないかとする観測について、ジャパンディスプレイ(JDI)がサプライヤーとして携わる可能性が浮上しています。
2021年予定から前倒しも?
すでにお伝えしたように、数日前にFoxconn傘下のタッチスクリーンメーカーGISが、2020年にリリースが予定されるiPhone12シリーズ(仮称)について、指紋認証センサー搭載の技術的な可否について会合を設けたようです。
これまでにもGISは、SamsungのGalaxyシリーズなどに採用されている、超音波式指紋認証センサーの部品を供給しており、技術的なノウハウは有しています。当初は2021年になるのではないか、と考えられていましたが、AppleがGOサインを出せば、早速来年度のiPhoneから搭載できる用意はあるでしょう。
もっとも、光学式指紋認証だった従来のTouch IDとは異なり、センサーはディスプレイ下に埋め込まれることになります。
鍵を握るQualcommとJDI
GIS以外にも、iPhone指紋認証復活の鍵を握るサプライヤーがあります。QualcommとJDIです。
Qualcommについては先述した通り、超音波式指紋認証センサーを開発する企業です。AppleとQualcommはここ数年、泥沼の法廷闘争劇を繰り広げていましたが、Intelの5Gモデム開発遅延などが原因となり、Appleが折れる形で手打ちとなりました。これによって、敵だったQualcommの技術を使用できることは大きな意味を持ちます。
台湾メディアの経済日報によると、すでにQualcommは“第二世代”とも言うべき超音波式の指紋認証センサーの製造を始めているそうです。従来モデルに比べて、指紋の認識範囲が拡大しただけでなく認識速度も向上しているのが特徴で、2020年のiPhoneに採用となれば、第二世代のセンサーが実装される可能性は高いと考えられます。
またJDIは、2020年よりiPhoneに向けて、指紋認証を埋め込むための有機EL(OLED)ディスプレイの供給を始めるのではないか、と見られています。以前の報道では、SamsungとLGの2社がiPhone12シリーズにOLEDを供給する見通しでしたが、JDIの経営存続に向けてAppleが400億円を出資したことが関係しているのかもしれません。
ただし、ディスプレイの下に指紋認証を埋め込むモデルは限られているとも言われており、いかに巨額出資した企業とはいえ、OLED開発でSamsungやLGに遅れを取るJDIに、Appleがいきなり“大役”を任せる可能性は低そうです。
Source:経済日報
Photo:YouTube-Qualcomm
(kihachi)