16インチMacBook Proの新型キーボード開発秘話、Apple役員が語る
16インチMacBook Proに搭載されたシザー式キーボードの開発秘話を、Appleのワールドワイドマーケティング担当上級副社長のフィリップ・シラー氏が、米メディアCNETのインタビューで語っています。
バタフライ式への否定的評価
Appleが11月13日に発売した16インチMacBook Proの最大の特徴のひとつは、従来のバタフライ式キーボードから切り替えられたシザー式キーボードです。
フィリップ・シラー氏は、2015年の12インチMacBookで採用したバタフライ式キーボードについて「一部のお客様には喜んでいただけたが、良く思わないお客様もいた」と語り、バタフライ式キーボードについてユーザーから否定的評価を受けていたことを認め、こう語っています。
人々は、キーボード開発に注ぎ込まれる労力を過小評価しがちです。それが、キーボード業界が10年も20年も変化しない理由です。
多くのプロユーザーに、求めるものを聞いて回る
Appleの開発チームは、バタフライ式キーボードの改善に取り組むと同時に、多くのプロユーザーに、キーボードに求めるものを聞いたそうです。
そして、多くのプロユーザーが、デスクトップMacで使われるMagic Keyboardのようなキーボードを求めていることが分かりました。
しかし、デスクトップ用キーボードのMacBook Proへの移植には多くの困難が伴った、とシラー氏は語っています。
デスクトップ用キーボードには、人間工学の観点から傾斜がつけられています。また、ノート型ではキーにバックライトを設ける必要もあるため、開発は難しかったそうです。
16インチMacBook Proで独立したescキー
16インチMacBook Proで、Touch Barから独立して設けられたエスケープ(esc)キーについてシラー氏は、以下のように語っています。
Touch Barは、とても多くのお客様に、便利に使っていただいています。しかし、一部には不満の声もありました。
もし、不満に順位をつけるなら、ナンバーワンは物理的なエスケープキーを求める声でした。
そこで、Touch Barを取り除いて多くの利益が失われるよりは、エスケープキーを追加することにしたのです。
シザー式キーボードの拡大については「お話しできない」
シザー式キーボードを、16インチMacBook Pro以外のモデルにも拡大する計画について問われたシラー氏は「今日はお話しすることができません。私たちは、両方のキーボードのデザインを継続しています」と、明言を避けました。
なお、Apple関連の正確な予測で知られるアナリストのミンチー・クオ氏は、2020年にシザー式キーボードを搭載したラップトップのMacが発売される、と予測していますが、これが13インチMacBook Proなのか、MacBook Airを指すのかについては触れていません。
Source:CNET via 9to5Mac
(hato)