iPhone XのFace ID、3Dプリントの顔でロック解除される

iPhone XのFace IDに人物の顔を3Dプリントして制作したマスクを見せて、ロックを解除するデモンストレーション動画が公開されました。動画では、iPhone Xがマスクをユーザーと認識してロックが解除される様子が確認できます。
非常に高い認識精度を誇るiPhone XのFacde ID
iPhone Xの顔認証システムFace IDは、ユーザーの顔を3Dセンサーで認識するため、誤認識率が100万分の1と非常に高い認識精度を誇ります。
9月の発表イベントでAppleのマーケティング担当上級副社長のフィリップ・シラー氏は、Face IDの開発にあたりハリウッドの特殊マスク製作者や特殊メイクアーティストと連携し、ユーザー以外の顔を認識しないよう開発した、と胸を張りました。
3DプリントマスクでiPhone XのFaceIDを突破!
ベトナムのセキュリティ企業Bkavは、人物の顔を3Dプリントしたフレームで作ったマスクで、iPhone XのFace IDを突破するデモンストレーションの動画を公開しました。
マスクには、フレームにシリコン製の鼻を取り付け、目の部分を印刷して貼り付け、そして数カ所には「特殊な加工」が施されています。
最初、マスクに布をかけた状態だと、iPhone Xはユーザーの顔を認識できないためパスコードの入力を求めてきます。
マスクにかけていた布を取り除くと・・・
iPhone Xのロックを解除できてしまいました。
Bkavは、顔認証について「まだ十分に成熟しているとは言えない」と語っています。
Face ID、現実的には突破不可能か
米メディアAppleInsiderはBkavによるデモンストレーションについて、「人物の顔の正確な情報をもとにマスクを制作するのは、難しくて費用がかかるため、現実的な脅威にはならないだろう」と、顔認証の安全性が脅かされるような問題ではない、との見方を示しています。
なお、iPhone XのFace IDは、そっくりな双子を同一人物として誤認識する場合があるほか、あまり似ていない兄弟でも、顔を認識させた後にパスコードでのロック解除を繰り返すと誤認識が発生する場合があることが分かっています。
Bkavによる、マスクでFace IDを突破するデモンストレーションは、以下の動画でご確認ください。
Source: AppleInsider
(hato)