新型MacBook ProとMac miniがWi-Fi 6E対応に〜その意味とは

    Wi-Fi 6E

    Wi-Fi 6E
     
    Appleが現地時間2023年1月17日に発表した14インチ/16インチMacBook Pro新型Mac miniは、いずれのモデルもWi-Fi 6Eに対応しています。

    Wi-Fi 6Eとは?

    Apple製品でWi-Fi 6Eに最初に対応したのは2022年10月に発表されたM2搭載iPad Proであり、MacでWi-Fi 6Eに対応したのは14インチ/16インチMacBook Proと新型Mac miniが初めてです。
     
    そもそもWi-Fi 6Eとは何なのでしょうか。
     
    名前から推測できるように、Wi-Fi 6という規格が存在します。2020年1月に発表されたWi-Fi 6EはWi-Fi 6の拡張版(’E’はExtended(拡張)を意味する)であり、その最大の違いは対応周波数の幅です。
     
    Wi-Fi 6は2.4GHz帯と5GHz帯に対応していますが、Wi-Fi 6Eはこれらに加え6GHz帯にも対応しています。

    Wi-Fi 6Eのメリットは?

    6GHz帯のWi-Fi通信はWi-Fi 6Eによる接続のみであるため、2.4GHz帯や5GHz帯に比べ空いており、通信速度の遅い端末に占有される心配がありません。その結果混雑や干渉が少なくなります。干渉が少なければ通信が安定し、途切れたり、遅延したりする確率が減少します。
     
    またWi-Fi 6Eでは、新たに6GHz帯が加わったことで、Wi-Fi 6よりも通信時のチャンネルの選択肢が増えています。たとえば5GHz帯では160MHz幅の高速通信は2本のチャンネルからしか選択できませんでしたが、6GHz帯の追加により、160MHz幅の高速通信を3本のチャンネルから選択可能となっています。通信時のチャンネル選択肢が増えれば、より干渉が少ないチャンネルを選びやすくなります。

    今後はすべてのMacやiPad、iPhone15がWi-Fi 6Eに対応か

    AppleはM2 iPad Proを発表した際、「新しいiPad Proは、Wi-Fi 6Eへの対応により最速のWi-Fi接続に対応しているため、高速接続を必要とするユーザーは負荷の高い作業をどこでも行なうことができます。ダウンロードは、前世代よりも2倍高速な最大2.4Gbpsです」と説明していました。なお日本国内でM2 iPad ProがWi-Fi 6Eに対応したのはiPadOS16.2がリリースされてからでした。
     
    つまりM2 ProとM2 Maxを搭載した14インチ/16インチMacBook Pro、そしてM2/M2 Pro搭載Mac miniでも、同様の高速Wi-Fi接続が期待できることになります。
     
    現時点では、Wi-Fi 6Eに対応しているのはM2 iPad Proと前述のMacBook Pro、Mac miniのみですが、今後発表されるMacのラインアップiPadシリーズ(今年は大きなアップデートはないとの予想あり)、そして秋に発表見込みのiPhone15シリーズは、Wi-Fi 6Eに対応すると思われます(しかしこのほど発表されたばかりのHomePod第2世代は、なぜかWi-Fi 5でもない、Wi-Fi 4対応です)。

    ノートPCでのWi-Fi 6E対応が加速すると予測

    Appleが新型14インチ/16インチMacBook ProをWi-Fi 6E対応としたことで、ノートPCにおけるWi-Fi 6E対応が加速すると、台湾メディアDigiTimesは予測しています。
     
    ただしMacBook ProなどでWi-Fi 6Eの恩恵を完全に享受するには、ルーターもWi-Fi 6Eである必要があることに注意が必要です。

     
     
    Source:DigiTimes,Macworld,Computerworld,バッファロー
    Photo:Wi-Fi Alliance
    (lunatic)

    この記事がお役に立ったらシェアお願いします

    この記事を書いた人

    元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

    特集

    [PR]オフィシャルサイト

    目次