EU、スマートホーム機器の安全性に関する法的義務を導入?アップデートの提供継続など
音声での操作や時間/温度などの条件による自動操作など人々の暮らしを便利にするスマートホーム機器ですが、さまざまな情報を収集したりサーバーにアップロードしたりする必要があるため安全性の面で不安があります。
このため、欧州連合(EU)は各スマートホーム機器メーカーに対し、製品が安全であることを保証し、かつその状態を維持することを求める法的義務を課したいと考えているようです。
スマートホーム機器を安全に保つ義務を課す法律が制定される?
TechCrunchによると、EUはすべてのスマートホーム機器がセキュリティ上安全であり続けることを求める法律制定を提案しているとのことです。
スマートホーム機器のなかには映像を取得できるスマートカメラ、音声を取得できるスマートスピーカーなど、プライバシーの侵害や犯罪利用のリスクがある製品が存在します。
製品に意図的にバックドアを仕掛けるのはもってのほかですが、製品発売後に脆弱性が発見され、ハッカーにそこを突かれることもあるでしょう。
EUはスマートホーム機器やIoT機器が増加すると、1つの製品での事故が広範囲にわたり経済・社会活動に深刻な混乱をもたらし、場合によっては人々の生命が脅かされる可能性があることを懸念しています。
そこでEUはスマートホーム機器メーカーに対し、消費者に「十分かつ正確な情報」を伝え、購入者がセキュリティ上配慮すべき点を把握して安全に製品をセットアップ可能になるよう求めようとしています。
また、発売後も製品のライフサイクルを通して、必要に応じたセキュリティアップデートの提供が求められるとのことです。
スマートホーム機器は世界中で普及が進んでいるため、EUだけでなく世界中で同様の法律が制定される可能性もあるでしょう。
デジタル機器の規制に熱心なEU
EUはデジタル機器の規制に熱心であり、スマートフォンメーカーに5年間のセキュリティアップデート提供を義務づけたり、スマートフォンの修理部品を5年間提供し続けることを義務づけたりする法案が提出されています。
フランスでは既に電子機器の「修理のしやすさ」を示すスコアラベルの添付が義務づけられています。
規制を厳しくすればデバイスの開発や販売のコストが上がり、製品価格上昇につながるでしょう。
しかし現在雨後の竹の子のように次々と発売されているスマートホーム機器が、すべて安全とはいえないのが現状です。
消費者自身も価格や機能だけ出なく、安全性をチェックした上で購入する製品を決めるべきであり、EUの法案が通ればそれに役立つ情報が得られそうです。
Source: TechCrunch via 9to5Mac
(ハウザー)