Apple、iPhone14の初期出荷台数は前年並み〜景気減速の中、顧客基盤に自信
AppleがiPhone14の初期出荷台数は最低でも前年並みとするようサプライヤーに指示した、とBloombergが報じています。世界的な景気後退と消費意欲減退が懸念される中でも、経済的に豊かな顧客基盤と競合メーカーの減速で出荷台数を維持できるとの見通しがあるようです。
2021年と同様、9,000万台の出荷台数を指示
Appleが、2022年の新モデルiPhone14の初期出荷台数を最低でも前年並みの9,000万台とするようサプライヤーに指示した、とBloombergが事情をよく知る関係者からの情報として伝えています。
2022年の通年出荷台数も、前年同様の2億2,000万台を計画しているとのことです。
2021年に初期出荷台数を7,500万台から9,000万台に引き上げ
Appleは2020年までの数年間、発表から年末までの新型iPhone生産台数を7,500万台に設定していました。2021年に計画を9,000万台に引き上げた背景には、コロナワクチンの普及による需要拡大を見込んだため、とBloombergは伝えています。
なお、台湾メディア経済日報は先日、AppleがiPhone14シリーズの初期出荷台数を当初計画から5%増やした9,500万台に引き上げたと報じていました。強気の計画に、一部のサプライヤーからは不安の声も上がっていると台湾メディアDigiTimesが伝えています。
安定した顧客基盤、Huaweiの市場撤退が強気の根源
消費者がスマートフォンなどの製品への支出を絞り込み、Androidスマートフォンが影響を受ける中でも、Appleは高価格帯の新製品への支出をいとわない顧客層に支えられているため、前年並みの出荷台数を見込めるのだろう、とBloombergの情報源となった人物は述べています。
また、ハイエンド市場の競争相手であったHuaweiが、経済制裁の影響で市場からの撤退状態にあることも、Appleには追い風になるとみられます。
iPhoneの大半の組み立てを担うFoxconn(鴻海精密工業)が最近、2022年のスマートフォン販売台数に大きな変化は見られない、との見通しを明らかにしたことも、Appleの安定性を示唆しています。
スマホ市場減速もAppleへの影響は軽微、とIDC
調査会社IDCは、需要減速、インフレ、地政学的リスク、サプライチェーンの混乱、中国におけるゼロコロナ政策の影響を受けて、2022年のスマートフォン出荷台数は前年比3.5%減少するとの予測を発表しています。
しかし、Appleは強固なサプライチェーン網と景気動向の影響を受けにくい顧客層に支えられて影響は軽微だろう、ともIDCは予測しています。
著名アナリスト「iPhone14に地政学リスク影響しない」
Apple関連の精度の高い予測で知られるアナリストのミンチー・クオ氏は先日、iPhone14の製造や出荷に地政学リスクは影響しない、との見通しを発表しています。
4モデルの発売が見込まれるiPhone14シリーズのうち、スタンダードなiPhone14の販売価格はiPhone13と同等になるとみられています。
上位モデルのiPhone14 Proの販売価格は引き上げられるものの、それはストレージの最小容量が128GBから256GBへと引き上げられるためではないかとの見方もあります。
iPhone14 Proは、より高速なA16チップを搭載し、ディスプレイ上部にはノッチの代わりに2つの穴が空いたホールパンチデザインが採用され、背面カメラは48メガピクセルへと高画質化が図られる、と噂されています。
Source:Bloomberg
(hato)