iPhone13シリーズ、A15にCPUの大幅な性能向上がないのは人材流出のせい?

    AppleのA15 Bionicの画像

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    9月14日におこなわれたAppleの発表会では、iPhone13シリーズと新型iPad miniに搭載されたA15 Bionicについて、これまでのAシリーズとのCPU性能の詳しい比較結果が示されませんでした。
     
    これは、A15 BionicのCPUがA14 Bionicに比べて大幅な性能向上がないためといわれています。そして、それはAppleからCPU関連の人材が流出したためではないかとのことです。

    A12との比較しかおこなわれなかったA15 BionicのCPU性能

    9月14日の発表会において、A15 BionicのCPU性能を過去のAシリーズと比較したのは、iPad miniの発表の際に「A15はA12よりも40%高速なCPUを搭載している」という説明だけでした。
     
    Appleは新しいハードウェアの発表の際に過去のハードウェアとの相対比較をよくおこなうため、あえてそれをおこなわなかったということは、A15のCPU性能はA14と比べてそれほど向上していないのではないかと推測されています。
     
    これについて検証をおこなうと、GeekbenchのCPUスコアにおいてA14はA13よりもシングルコアで約20%、マルチコアで約24%性能向上しており、A13はA12よりもシングルコアで約20%性能が向上しているとのことです。
     
    つまり、A12からA14への進化ですでに40%以上の性能向上が達成されており、Appleの「A15はA12よりも40%高速なCPU」という言葉が正しいとすると、A14からA15へのCPU性能の向上率がそれほど高くないというのは的を得た推測だと考えられます。

    CPU関連の人材流出が原因?

    A15 BionicでCPU性能があまり向上しなかった原因について、AppleからCPU関連の人材が流出したことが原因ではないかといわれています。
     
    たとえば、A7からA12XまでのAシリーズチップの主要設計者であるジェラルド・ウィリアムズ3世は、2019年にAppleを離れてNuviaを設立し、その後NuviaはQualcommに買収されています
     
    また、CPUアーキテクチャであるRISC-VのスタートアップであるRivosにもAppleの元上級エンジニアが多数参加しているとのことです。
     
    その代わり、AppleはGPUなどに半導体の面積をつぎ込んだとみられ、A15 BionicのGPUはA14 Bionicに比べて大幅に性能が向上したというベンチマーク結果が出てきています。

     
     
    Source: AppleInsider
    (ハウザー)
     
     

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