菅首相の退陣報道で株価上昇。携帯キャリア株は明暗分かれる

    日本の株価

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    9月3日、菅義偉首相が自民党の次期総裁選挙に出馬しないことが報じられると、日経平均株価は急上昇しました。携帯キャリアの株価は、料金引き下げ圧力が緩むと期待された上昇と、後押しの消滅への懸念による下落に分かれました。

    菅首相の退陣報道でKDDIとNTTは上昇、楽天は下落

    9月3日の午前11時50分頃に、菅義偉首相が次期総裁選に出馬せず退陣することが報じられると、次期政権による経済対策への期待感などから、東京市場の株価は軒並み上昇し、日経平均株価は前日比600円近い高値となりました。
     
    日本経済新聞によると、菅政権による料金引き下げの圧力が落ち着くと見込まれた携帯電話関連株は、KDDIが3.8%上昇、NTTが2.5%上昇と、日経平均の1%を上回る上昇率を記録しました。ソフトバンクの上昇率は約0.8%でした。
     
    一方、第4のキャリアとして参入した楽天は、政権による後押しがなくなる懸念から2.4%下落しています。
     
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    官房長官当時、「携帯料金は4割下げる余地がある」で注目

    総務副大臣、総務大臣をつとめた菅氏は、安倍内閣の官房長官だった2018年8月に「日本の携帯料金は4割下げる余地がある」と発言して話題を集めました。
     
    翌9月には総務省が6つの有識者会議を立ち上げて、携帯電話料金引き下げに向けた検討を開始しました。
     
    菅氏は官房長官当時、以下のように、携帯料金の引き下げを求める趣旨の発言を繰り返していました。
     

     
    「官製値下げ」とも言われた、料金設定への政権による介入には、KDDIの高橋誠社長が「ビジネスモデルは我々に任せてほしい」と苦言を呈したように、反発もありました。

    携帯料金の引き下げを目玉政策に掲げ自民党総裁選に当選

    菅氏は、2020年9月に「携帯電話料金の引き下げ」を目玉政策に掲げて総裁選に出馬、当選して内閣総理大臣に就任しています。
     
    大手キャリア3社が新料金プラン(ahamo、povo、LINEMO)を発表した後の2021年7月末にも「さらに倍、引き下げられる」「まだ道半ば」と発言し、さらなる料金引き下げを求めていました。
     
     
    Source:日本経済新聞
    Photo:写真 AC, Google Finance
    (hato)

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