菅首相「携帯料金負担、さらに倍引き下げ」発言に武田総務相、競争促進強化の考え

    武田良太総務大臣 2021年7月30日

    武田良太総務大臣 2021年7月30日
     
    武田良太総務大臣は、菅義偉総理大臣が雑誌に携帯電話料金の引き下げは「さらに倍可能」「まだ道半ば」と語ったことについて問われ、競争をさらに促進する考えを示しました。

    菅首相の「携帯料金引き下げ、さらに倍」発言に対応

    7月30日の記者会見で武田良太総務大臣は、菅義偉首相が雑誌「Hanada」に、携帯電話料金の引き下げに関して「さらに倍の負担軽減が可能」「まだ道半ば」と語ったことへの総務省としての対応を問われました。
     
    「コロナ禍で家計が苦しい中で、総理は携帯電話料金のみならずあらゆる分野で考えて我々に指示を出している」と、携帯料金引き下げについて首相からの指示が続いていることを認めました。
     
    総務省の「家計調査」によると、2人以上世帯のうち勤労者世帯における2020年の消費支出総額は月平均305,811円で、そのうち携帯電話通信料は13,410円(4.4%)でした。
     
    総務省「家計調査」
     

    武田大臣は、公正な競争環境の促進、料金メニューをわかりやすくするために手を打ったことで過去に比べて競争が活発化している、と評価しながらも「過去に比べれば、ですよ」と強調し、競争をさらに進める必要があるとの姿勢を示しました。
     
    また、新料金プランにより国民の携帯電話料金負担額が年間4,300億円軽減されたとの総務省と消費者庁による試算を引き合いに出し「さらに乗り換えが進めば、負担軽減はさらに拡大する」との見通しを語りました。
     
    「携帯電話料金の低廉化に向けた二大臣会合」第2回会議資料
     
    そして「広く国民が携帯電話料金の低廉化の恩恵を実感できるように、乗り換えを円滑にするための取り組み、公正な競争環境の整備に取り組みたい」と、今後の方向性を示しました。
     
    武田大臣が記者会見で携帯電話料金について語る模様は、以下の動画で6分45秒あたりからご覧いただけます。
     

     

    今後の方針は「競争ルールWG」の報告書がヒントに?

    武田大臣が発言した今後の取り組みの内容は、総務省が7月9日に公開した「競争ルールの検証に関するWG」の報告書(案)がヒントになりそうです。
     
    報告書(案)では、「2年縛り」の違約金が引き下げられた2019年10月の改正電気通信事業法の施行前に締結された契約が半数を占め、違約金の引き下げを知らないユーザーも多いとの調査結果を示しています。
     
    また、2021年春に各社が新料金プランの提供を開始したものの、3大キャリアの新料金プランへの加入は同じ事業者からの乗り換えで、事業者間の流動性向上につながっておらず、MVNOは利用者が流出して厳しい状況にある、と指摘しています。
     
    報告書(案)は、NTTドコモとKDDIのWebサイトで解約方法を説明するページが検索結果に表示されないようno indexタグが埋め込まれていた問題についても触れ、「公正な競争を阻害する」「禁止の徹底を図っていく」と問題視しています。なお、報告書(案)が公開される直前にも、KDDIがMNP転出方法の案内ページが表示されないよう同様のタグを埋め込んでいたことも分かっています。
     
     
    Source:総務省 (1), (2)
    (hato)

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