フォートナイト裁判、米地裁がAppleの損害賠償請求を棄却

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    人気ゲームアプリ「フォートナイト」を手掛けるEpic GamesとAppleとの訴訟合戦で、米カリフォルニア州の連邦地方裁判所が10日、規約違反で損害を受けたとするAppleの反訴を一部棄却しました。

    あくまでも問題は独占禁止法

    Epic Gamesの規約違反行為によって、App Storeの手数料を含む損害を被ったとするAppleの主張について、米地裁のイボンヌ・ロジャーズ判事は裁判のポイントではないとして棄却しました。
     
    棄却にあたってロジャーズ判事は「これは(Epicにとって)高リスク高リターンの規約違反事例であり、独占禁止法(反トラスト法)違反事例だ」と意見を述べ、規約違反は認めるものの、付随する損害を独立して考えるべきではないとの判断を示しました。

    アプリ内課金で反旗を翻す

    Epic GamesとAppleの戦いは、2020年8月に突如「フォートナイト」内に独自の決済手段が採用されたことで勃発しました。Appleの定める規約では、App Storeからダウンロードされるアプリは、決済において必ず同社を経由する必要があります。そのため、フォートナイトはApp Storeから公開を即日取り下げられました。
     
    取り下げたのはGoogleも同じですが、Appleの場合は、サードパーティーのアプリストアの存在やWebサイトからのアプリダウンロードをiOS製品で認めていません。そのため、iOSでアプリ内課金を実装する際は、必ずAppleに30%の手数料を支払うことになります。
     
    Epic Gamesはこれを“Apple税”と批判し、不当に競争を阻害しているとして独占禁止法でAppleを訴えました。一方でAppleも、Epic Gamesの規約違反によって被害を受けたとして、損害賠償を求め反訴していました。

    裁判前の段階では両社痛み分け

    今回の棄却によってロジャーズ判事のもとで、Epic Games側は(1)App Storeへの復帰が認められなかった、(2)現時点では30%の手数料の法外性やAppleの市場独占の事実が示せていないと判断された、Apple側は(1)Epic Gamesの開発者権限取り下げが認められなかった、(2)損害賠償要求が棄却されたため、見事にお互い“痛み分け”となった格好です。
     
    なお、現在はお互い意見書を提出した段階で、正式な裁判は2021年半ばから始まる予定です。
     
    Bloobergの取材に対し、Appleは「レビューや承認がなされていない機能をEpicはアプリで実装した。デジタル商品やサービスを販売する全てのデベロッパーへ平等に適用されている、App Storeのガイドラインに違反する意志を持って成された行為だ」と改めてEpic Gamesを批判、さらに「彼らの向こう見ずな振る舞いで消費者が人質にされた。きたる5月、裁判で状況を正すのを楽しみにしている」と述べ、改めて自社の正当性を主張しています。
     
     
    Source:Bloomberg via MacRumors
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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