ティム・クックCEO、来日中に日経とNEWS ZEROのインタビューに応じる
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が、来日中に日本経済新聞と日本テレビ「NEWS ZERO」のインタビューで、拡張現実(AR)の可能性、プログラミング教育の重要性、GAFA規制などについて語っています。
「ARは最大のコアテクノロジー」
12月8日から10日の期間、来日していたティム・クックCEOは、日本経済新聞のインタビューに対して、「ARは次のプラットフォームになる」「最大のコアテクノロジー」と、ARが日常生活のさまざまな分野に拡大する、と述べています。
また、Apple Watchで心電図測定ができる(日本では未対応)など、健康管理機能の提供を「ヘルスケアの民主化」と語り、「人類に対するApple最大の貢献はヘルスケアになるだろう」と、ヘルスケア分野を重視する姿勢を語っています。
人工知能(AI)の発展による雇用への不安などの問題については「未来の仕事、変化に備えなければならない」と、プログラミング教育の重要性を強調しています。
インタビューの最後、「あなたを駆り立てるものは何ですか」と問われたクック氏は、以下のように語り、自らの信念を明かしています。
ほかの人々を支援すること、世界に変化をもたらすこと。それがモチベーションだ。そういう信念をもっていれば、アップルほど働くのにふさわしい会社はない。
「プログラミングも芸術と同じ、自己表現の手段」
ティム・クックCEOは、12月10日夜に放送された日本テレビ系列「NEWS ZERO」の有働由美子キャスターによるインタビューに、Apple 丸の内店内でインタビューに応じています。
クックCEOは、iPhone11とiPhone11 Proを交互に使っており、同氏にとって仕事とプライベートは一体なので、使い分けているわけではなく、1日に5〜6時間程度使うそうです。
小学生たちのプログラミングセッションに飛び入り参加した後のクック氏は、以下のように語り、プログラミング教育の重要性を改めて強調しています。
- 「プログラミングは世界的な言語であり、母国語以上に重要な言語になり得る」
- 「プログラミングも芸術と同様に、自己表現の手段」
- 「2つの言語を学ぶなら、母国語と、プログラミング言語であるべき」
「AIによって職が失われる」という不安については、いたずらに恐れるのではなく、正しく使うことが重要だ、と語っています。
また、日本政府がAppleを含む「GAFA」への規制を強めようとしている動きについては、「大企業は徹底的に精査されるべき。大きな存在には大きな責任が生じる」と、巨大企業としての社会的責任の重要性を指摘しています。
その一方で、「規制によって、技術革新が制限されてはいけない。革新性やデザインは大切であり、日本の中核でもある。そこに影響が出てはいけない」と、規制と技術革新のバランスが大切、と述べています。
また、「Appleは、プライバシーは基本的人権だと思っている。プライバシーはアップルの信念です」と、GAFAと一括りにされている中でもAppleはプライバシーを尊重していることを改めて強調しています。
今夜はテレビ独占インタビュー。有働キャスターがアップルのティム・クックCEOを直撃。来日の狙いは?AI社会を生き抜くカギは?そして、あの問題も…本音を語りました。#TimCook #newszero #apple pic.twitter.com/8qmrdTGfFM
— news zero (@ntvnewszero) December 10, 2019
Source:日本経済新聞 (1), (2), 日本テレビ「NEWS ZERO」
(hato)