Apple Watchの心電図機能、Appleは厚労省の認可取得に消極的?

Apple Watch ECG

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Apple Watch心電図機能は、海外で多くの命を救っていますが、日本では認可されていません。Appleは日本での認可取得に消極的になっているようだ、と伝えられています。

多くの命を救っているApple Watchの心電図機能

Apple Watch Series 4で追加された心電図機能が利用できるのは、当初はアメリカのみでしたが、すでにヨーロッパの多くの国々や香港カナダやシンガポールなど、世界31の国と地域で利用可能となっています。
 
最近では、Apple Watch心電図機能で心房細動が検出されたアメリカの男性が、自覚症状がないまま専門医の診療を受けた結果、心房細動が発見され、手術で命拾いしたニュースが話題になりました。

米FDAはウェアラブルを活用した研究に積極的

日本の厚生労働省にあたる、アメリカの米食品医薬品局(FDA)は、医療用途のアプリを医療機器として迅速に承認する体制を整え、ウェアラブル機器を使った研究や治療の進展が期待されています。
 
米スタンフォード大学医学部が実施した、Apple Watchを使って心拍データを収集する調査には40万人が参加し、心拍数の異常を発見するなどの成果を挙げるとともに、今後の課題も明らかになっています。

日本は厚労省の認可なく、Appleも消極的?

一方、日本では厚生労働省の承認が取得できていないため、Apple Watch Series 4以降のApple Watchを買っても心電図機能は利用できません。
 
その理由について日本経済新聞は、国内医療機器メーカーからの「測定結果を利用者が誤って解釈することへの行政などの懸念が根強い」との声を紹介するとともに、「Appleも承認取得には消極的とみられる」と報じています。

年齢とともにリスク高まる心房細動

心房細動は、心臓内の心房がけいれんのような症状を起こす疾患で、年齢とともにリスクが高まり、脳梗塞や心不全の要因になることも分かっています。早期発見、早期治療が重要である一方、自覚症状がないことも多いため、健康診断で偶然発見されるケースも多くあります。
 
日本経済新聞の報道では、Appleが承認取得に消極的な理由には触れられていませんが、日本のApple Watchユーザーとしては、Apple Watchの心電図機能が、早く承認を取得してくれることを願うばかりです。
 
 
Source:日本経済新聞, 日本心臓財団(PDF)
Photo:Apple/YouTube
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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