スマホ市場は前例のない落ち込みへ〜Appleの経営戦略にも変化

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先進国では1人1台スマートフォンを所有している状況が当たり前になってしまった今、スマートフォン市場がかつてない規模で縮小しています。

過去最大の3.2%減少

調査企業Gartnerによると、グローバル市場における2019年のスマートフォン販売台数は、前年比で3.2%の落ち込みを見せるそうです。数年前まで成長を続けてきたスマートフォン市場とあって、この減少幅は史上最大となります。ちなみに8月の時点で、Gartnerは2.5%の落ち込みと発表していたため、実質的な下方修正となります。
 
gartner 2019年 スマートフォン 販売台数
 
「新しいテクノロジーが興味をほとんどひかないうえ、消費者がスマートフォンを長く使うようになったからだ」と分析するのは、同社でアナリストを務めるランジット・アトワル氏です。事実、Gartnerは5G通信の登場によって、2020年は販売台数が2.9%の増加に転じ、以降しばらくは市場が再び拡大に転じると考えています。
 
また、5Gに期待を寄せるのはGartnerだけでなく、CoutnerpointIDCといった他の調査企業も同様です。

Appleの経営戦略にも変化

スマートフォン市場の潮流は、Appleの経営戦略にも変化を及ぼしています。
 
iPhoneの販売価格は毎年高くなる一方でしたが、2019年のiPhone11シリーズは前年のiPhone XSシリーズと比べ安価になりました。アナリストの大半は価格が据え置きになると予想していたため、値下げは大きな驚きをもって受け止められました。価格が安くなったことで、インドでもiPhone11の売れ行きが好調とされています。
 
またAppleは近年、iPhoneだけでなく、iPhoneを始めとしたデバイスで提供する“サービス”で利益を確保していく動きにシフトしつつあります。Apple Music、Apple TV+Apple Arcade、iCloud、AppleCare+、App Storeなどのサービス部門は、2020年に5兆円規模にまで発展するとの試算も出ています。
 
 
Source:Gartner
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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