巨大化しすぎたGAFA――Appleは事業を分割すべきとの批判も

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Apple イベント ティム・クックCEO
 
潤沢な資金を武器に巨額制裁もどこ吹く風、自社のプラットフォームで強気に振る舞う――。もはや一部のテック企業は、巨大すぎて手に負えない規模にまで膨れ上がっています。こうした状況を問題視する識者は少なくなく、「Appleは事業を分割すべきだ」との指摘も出ています。

もう誰にも止められない

近年、“GAFA”という用語が注目を集めています。桁違いの影響力を有する巨大テック企業4社(Google、Apple、Facebook、Amazon)を総称し、それぞれの頭文字を並べたものです。
 
中でも槍玉に上がるのは、GoogleとFacebookです。個人情報を活用した彼らのビジネスモデルは、しばしば「ユーザーのプライバシーを金銭に換えている」といった批判を浴びます。実際、7月には米連邦取引委員会(FTC)がFacebookのプライバシー管理を問題視し、同社に対して50億ドル(約5,350億円)の制裁金を科したばかりです。
 
ところが、プライバシー関連の制裁金としては未曾有の50億ドルという額でさえ、Facebookにとっては大きな痛手ではありません。2019年第2四半期(4月〜6月)における同社の売上高は、169億ドル(約1兆8,100億円)でした。もはや制裁で止められる企業規模ではないのです。

自社プラットフォームでの振る舞いが問題に

プライバシー関連では比較的大人しいAppleですが、企業規模という点ではFacebookを遥かに凌いでいます。先日のスペシャルイベントを受け、Appleの時価総額は再び1兆ドル(約107兆円)を突破しました。1兆ドルを超える米企業は、執筆時点(2019年9月12日)でAppleとMicrosoftのみです。
 
Appleの強みは、なんと言っても独自のプラットフォームでしょう。
 
比較的自由度の高いGoogleのAndroidと異なり、iOSはAppleの厳格なコントロール下に置かれています。とりわけ最近では、「Sign in with Appleの導入」「iOS13でのサードパーティーの位置情報取得制限」「30%のマージン徴収」など、Appleがプラットフォーム上で自社を優先しているかのような素振りが立て続けに問題となっています。
 
いずれもAppleが独占禁止法に抵触している可能性を指摘するものですが、同社は「自社のプラットフォーム上でコントロールを強めることは、消費者やデベロッパーの利益にも適っている」といった反論を展開しています。

「事業を分割すべき」との声も

そうした中で先日、App StoreでApple製アプリばかりが上位に表示されることが問題視されました。
 
Appleは「自社アプリの検索回数が際立って高いことと、同じ開発元がまとまって表示される傾向が重なったこと」を理由とし、ただちにアルゴリズムを見直した(「修正」ではなく「調整」と強調)と発表しました。しかし、「自分たちを不当に優先している」との批判を免れることはできませんでした。
 
実際、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は「Appleが余りにも力を持ちすぎている」とツイート、競争を阻害し自社製品を宣伝している同社は分割されるべきだ、とハッシュタグ“#BreakUpBigTech(巨大テックを解体せよ)”を付けて批判しています。
 


 
なお、ウォーレン議員は3月にも「AppleはApp Storeを切り離すべきだ」との持論を展開し、注目を集めまました。
 
 
Source:Cult of Mac,Bloomberg
(kihachi)

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