Appleの自社サービス特別扱いは独禁法に抵触?デベロッパーが苦言

    Sign In with Apple WWDC 19

    iOS13 WWDC 2019
     
    iOS13ではサードパーティーアプリの位置情報収集へ制限がかけられています。これについてiOSアプリの複数デベロッパーが独占禁止法に抵触するのではないか、としてAppleに対して連名で書状を送ったことが分かりました。

    強まるAppleのコントロール

    今秋リリース予定のiOS13では、ユーザープライバシーの尊重姿勢が一層明確になった一方、Appleによるプラットフォームのコントロールが前面に押し出されました。
     
    例えば「Sign In with Apple」は、Googleの技術者から「IDとパスワードを入力するよりもはるかに安全だ」と評価される一方、デベロッパーに対してAppleのサインオンボタン採用を義務化するだけでなく他社よりも上に表示するよう求めており、独占禁止法に抵触するとの指摘もあります。
     
    Sign In with Apple WWDC 19
     
    そして今回問題となっている、サードパーティーアプリの位置情報を制限する仕組みも同様です。厳密には禁止されるのではなく、バックグラウンドで動くアプリが位置情報にアクセスするたびに許可を求める通知がユーザーに届く(設定で非通知設定も可能)仕様となり、Appleの公式アプリだけが例外となるのです。

    Appleは「ユーザー第一」をアピール

    知らないうちにユーザー情報を取得しているアプリも珍しくないため、ユーザーにとっては朗報とも言えます。しかし、サードパーティーアプリのデベロッパーにとってはこうした制限によって、Appleが自分たちだけを贔屓(ひいき)しているようにしか映らないのも事実です。
     
    「我々のようなデベロッパーと競合するようなサービスにまで進出」しているとし、連名でAppleに対して書状を送った開発者たちも、口を揃えてAppleの「ダブルスタンダード」を指摘します。Appleが自社アプリだけを特別扱いするのは、公正な競争を明らかに阻害しているというわけです。
     
    こうした指摘に対し、Appleはスポークスマンを通じて「プライバシーやセキュリティ、コンテンツについて高い基準を維持したアプリを保証する責任を我々は負っている」とコメント、Appleを信頼しているユーザーの期待に応えていく必要があると述べています。
     
    なおAppleは、サードパーティーによるVoIPプッシュ通知(PushKit VoIP)の使用もiOS13で制限する(バックグラウンドでデータ収集をしないようにする)ため、デベロッパーはアプリの再設計を迫られることが分かっています。
     
     
    Source:The Information,AppleInsider
    (kihachi)

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