iPhone11向けのOLED出荷、LGは全体の10%を供給へ〜コスト押し下げに期待
iPhone X以来、有機EL(OLED)ディスプレイはSamsungがサプライヤーとしてAppleに独占供給してきましたが、iPhone11シリーズではLG Display(以下LG)が本格的にサプライヤーとして参入する見込みです。LGの供給量は全体の10%となる見込みです。
SamsungとLGで分担
iPhone11シリーズの初期ロット向けとなるOLEDの出荷は全体で6,000万枚となり、そのうち10%にあたる600万枚をLGが担当することが分かりました。残りの5,400万枚はSamsungが担当します。これまでにもLG Display(以下LG)がiPhone向けにOLEDを供給することは何度か報じられてきましたが、どのくらいの規模で出荷するのかについては不明でした。
iPhone11シリーズは、iPhone XS/XS Maxの後継機となるiPhone11 Pro/Pro MaxがOLED、iPhone XRの後継機となるiPhone11が液晶ディスプレイ(LCD)を採用する予定です。OLEDはSamsungのフラッグシップモデルであるGalaxy S10/Note10シリーズと同じパネルが使用される見込みです。
複数サプライヤーでコスト押し下げ
Apple Watch向けのOLEDこそLGが担当していますが、これまでスマートフォン向けのOLED生産はSamsungの一強状態が続いていました。AppleもiPhone X/XSシリーズでは、Samsungから独占供給を受けています。
しかしサプライヤーの選択肢が1つしかない状況では、コストがかかるうえにリスクも懸念されます。実際、iPhone Xが999ドル(約105,000円:日本国内では11万2800円)で販売された理由の1つは「SamsungがOLEDパネルモジュールに強気の値段をつけているから」とする指摘もありました。
発売直後のiPhone Xと比べれば、Appleの値下げ要求や需要低迷によってコストは幾分か下がっているようですが、LGやBOEといった競合他社が参画してくることによって、2020年のiPhoneに向けて一層のコスト押し下げが期待できます。ニュースサイトDigiTimesによると、SamsungのiPhone向けOLEDパネルは120ドル〜130ドル(約12,600円〜13,650円)ほどですが、BOEは70ドル〜80ドル(約7,350円〜8,400円)ほどで供給できる用意があるそうです。
Source:DigiTimes
(kihachi)