楽天のみ、法改正後の「端末と通信の完全分離」免除か?総務省は否定

    楽天モバイル

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    複数年の通信契約を結ぶのを条件にスマートフォンの端末代金を割引販売する「セット割」が、今秋には法律で禁止されます。しかし総務省は、今年秋に携帯電話事業に新規参入する楽天には、このルールを適用しない方針と日経xTECHが報じています。一方の総務省は、報道内容を否定しています。

    通信料金と端末代金の「完全分離」、法改正で秋にも義務化

    総務省の有識者会議が提出した「緊急提言」をベースに、「端末代金と通信料金の完全分離」義務付けなどを盛り込んだ電気通信事業法の改正案が、今月はじめに閣議決定され、国会に提出されました。
     
    同法の改正により、従来のスマートフォン販売で主流となっていた、複数年の通信契約を条件に購入補助を出して端末を割引する販売手法が禁止されるため、今年の夏から秋にはスマートフォン購入時の価格は上昇すると見込まれています。

    楽天は「完全分離」免除との報道

    そんな中、現在はMVNOとしてサービスを提供している楽天は、今年10月に「第4のキャリア」として自社回線を使った携帯電話事業に参入します。同社は先日、自社回線への移行について案内しています。
     
    日経xTECHは、総務省は最後発の楽天が3大キャリアと比べて競争上不利であることから、楽天が「一定のシェア」を獲得するまでの期間に限って、端末購入補助や期間拘束契約を禁止しない方針、と報じています。
     
    「一定のシェア」の目安はまだ未定ですが、大手3社と競争できる目安として10%程度のシェアが濃厚だろう、と日経xTECHは予測しています。
     
    シェア10%は、MVNOを合計したシェア12.3%(MMD研究所による調査)にほぼ匹敵します。

    総務省は「事実無根」と否定

    しかしIT mediaによると、日経xTECHの報道を総務省は「事実無根」と真っ向から否定しています。
     
    総務省は「電気通信事業法の改正案は国会に提出したばかりで、法改正が決定しておらず、通信と端末の完全分離義務化も決定していない以上、詳細を決めることなどできない」と説明しています。
     
    しかし、法改正を見越した水面下での検討については言及していません。

    法改正の趣旨を踏まえると、楽天への特別措置は妥当?

    電気通信事業法の改正の源流は、3大キャリアによる寡占状態が続き、携帯料金が高止まりしている、という問題意識です。
     
    依然として大手キャリアが合計約9割のシェアを持つ携帯電話市場に、楽天を同じ条件で参入させても、自体が変化する可能性は低そうです。
     
    携帯料金は4割下げられる」発言が話題を呼んだ菅官房長官も、楽天の新規参入による携帯料金引き下げに期待する発言をしており、最後発の楽天になんらかの特別措置が取られる可能性はありそうです。
     
     
    Source:日経xTECH, IT media
    (hato)

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