格安SIM利用率は12.3%で前年比2.2ポイント伸び、シェア1位は楽天モバイル
MMD研究所は3月12日、「2019年3月格安SIMサービスの利用動向調査」の結果を発表しました。メインでMVNOを利用しているユーザーは12.3%で、2014年と比較して10.7ポイント増加しています。
格安SIM利用率は12.3%、前年比2.2ポイントの伸び
「2019年3月格安SIMサービスの利用動向調査」は、2019年2月15日から22日の期間、15歳から69歳の男女を対象にインターネットで実施され、43,689人から有効回答を得ています。
メインで利用している携帯電話・スマートフォンの通信事業者は、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアが合計79.1%で、約1年前の2018年3月に実施した調査結果(82.6%)から3.5ポイント減少しています。
メイン利用回線として「MVNO」を利用しているとの回答は12.3%で、調査開始以来初めて10%を超えた2018年3月(10.1%)と比べて2.2ポイント伸びています。
「MVNO」のメイン利用率は、約4年半前の2014年10月の1.6%と比較すると、10.7ポイント増加しています。
格安SIM「聞いたことはあるがよく知らない」が最多
「格安SIM」の認知・理解・利用の状況について尋ねたところ、最も多かった回答は「言葉は聞いたことがあるが、名称・内容はよく知らない」の28.6%、次いで「だいたいどんなものかわかるが、利用したことはない」の21.8%でした。
「現在利用している」(サブ回線としての利用も含む)は18.0%となりました。
認知から内容理解、利用を検討して利用に至るプロセスのモデルである「ファネル」で分類すると、「認知」は89.0%、「サービス名認知」は60.4%、「内容理解」は49.4%、そして「現在利用」は18.0%となりました。
利用率トップは楽天モバイルの25.1%
格安SIM利用者が、メインで利用しているサービスは「楽天モバイル」が25.1%でトップ、2位が「mineo」12.7%、3位が「UQ mobile」10.7%の順でした。
(楽天モバイルは旧FREETEL SIM、nuroモバイルは0simを含む)
「音声通話プラン」利用率は7割、1年前から4.9ポイント増
メインで利用している格安SIMサービスの契約プランは、「音声通話プラン」が70.2%で、7割に達しています。
「音声通話プラン」の割合は、2018年3月の65.3%と比較すると、4.9ポイント増加しています。
契約プラン別に、利用している格安SIMサービスを見ると、「音声通話プラン」のトップは「楽天モバイル」で28.6%、2位「mineo」14.0%、3位「UQ mobile」12.4%でした。
「データ通信プラン」のトップは「楽天モバイル」で16.8%、2位が「OCN モバイル ONE」12.4%、3位が「mineo」9.4%の順でした。
音声、データの両プランとも、「楽天モバイル」がトップに立っています。
利用格安SIMはAndroid、iPhoneとも楽天モバイルがトップ
格安SIMユーザーがメインで利用しているデバイスは、「スマートフォン(Android)」が55.9%、以下「スマートフォン(iPhone)」が34.0%、「モバイルルーター」が3.9%と続いています。
格安SIMを利用しているデバイスごとに、利用サービスを見ると、スマートフォンの上位3サービスは、Android、iPhoneとも「楽天モバイル」「mineo」「UQ mobile」の順でした。
特に、Androidスマートフォンでは30.7%と、楽天モバイルが高いシェアを持っています。
「端末と通信の完全分離」義務化で格安SIMに追い風か
先日閣議決定された、電気通信事業法の改正が今年の夏に施行されると、端末代金と通信料金の完全分離が義務付けられ、これまで大手キャリアのスマートフォン販売手法の中心だった「セット割」が禁止されます。
今後は、大手キャリアの半額程度で利用が可能な格安SIMサービスを具体的に検討するスマートフォンユーザーが増加することが見込まれます。
MMD研究所の調査によると、「端末と通信の完全分離」を「理解している」という回答は4割程度にとどまり、理解はまだ進んでいるとはいえません。
Source:MMD研究所
(hato)