総務省の有識者会議「通信と端末の完全分離、代理店を登録制」で法改正含む緊急提言

    総務省

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    総務省の有識者会議は11月26日、「シンプルで分かりやすい料金プラン」「販売代理店の適正化」を主な内容とする緊急提言の案をまとめました。実現のためには法律の改正も必要とされています。今後、パブリックコメントを求めた上で1月に正式案を取りまとめる予定です。

    法改正を含め、スマホ販売手法の見直しを迫る

    総務省の有識者会議「モバイル市場の競争環境に関する研究会」は、10月に第1回会合を開催して以降、月2回のペースで検討を実施しています。11月26日に開催した第4回の会合で、「モバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言(案)」を提示しました。
     
    総務省「モバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言(案)概要」
     
    一部メディアが報じたように、提言案は「シンプルで分かりやすい料金プランの実現」「販売代理店の業務の適正性の確保」の2つから成り、電気通信事業者法の改正を含めた、必要な措置を検討・実施することが提言されています。
     
    いずれも、販売現場ではこれまで主流だった手法に、大幅な転換を求めるものとなっています。

    「シンプルで分かりやすい料金プランの実現」

    「シンプルで分かりやすい料金プランの実現」のために、提言案では以下の3点の対応が必要とされています。
     

    1. 通信料金と端末代金の完全分離
    2. 行き過ぎた期間拘束の禁止
    3. 合理性を欠く料金プランの廃止

     
    総務省「モバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言(案)概要」
     

    1. 通信料金と端末代金の完全分離:「4年縛り」の抜本見直しも

    これまで、スマートフォン販売の主流となっていた、端末を購入し2年間など一定期間の契約を結ぶと、端末代金相当額を通信料金から「実質0円」などと割引する販売手法について、提言案は「利用者が何にいくら払っているのか理解しづらい」「同じプランを契約しても、購入端末によって通信料金が異なる」などの問題を指摘しています。
     
    提言案では、端末の購入を条件とした通信料金の割引の廃止を求め、キャリアが直接行うのではなく、代理店によって行われる場合も禁止する方針を示しています。
     
    「4年縛り」と呼ばれる、端末価格の残債を免除する販売手法については、導入しているソフトバンクKDDIが「同プランへの再加入」の条件を廃止すると表明したものの、「利用者は残債免除までの期間は契約を解除できず、利用者を過度に拘束することに変わりはない」として抜本的な見直しが求められています。
     

    2. 行き過ぎた期間拘束の禁止:自動更新を見直し

    「2年縛り」など期間の拘束を伴う契約については、自動更新されることが事業者乗り換えの障壁となっている、として利用者が選択可能とするのに加え、自動更新の有無で料金に差をつけないことを求めています。
     
    また、契約期間の途中で解約すると求められる違約金(約1万円)は「高額で、算定根拠が不明」として、見直しが求められています。

     

    3. 合理性を欠く料金プランの廃止

    このほか、利用端末やデータプランによって基本料金が異なるなどの料金プランは過度に複雑であり、利用者の混乱を招くとして、見直すことを求めています。

    販売代理店を登録制とし、総務省から直接指導を可能に

    「販売代理店の業務の適正性の確保」として、キャリアの看板を掲げたショップの大半を占める代理店における無理な勧誘を抑制するための提言案が示されています。
     
    提言案では、「必要以上の大容量プランへの勧誘」や「不要なオプション品販売」、「十分な説明のない光回線契約」など、携帯電話関係で2万件超、光回線関係で1万件超の苦情が全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)に寄せられていることを紹介しています。
     
    総務省「モバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言(案)概要」
     
    これまで総務省は、ガイドラインの改正などによってキャリアを通じて代理店の指導を求めていたものの、「十分な効果を上げていない」と問題を指摘し、販売代理店を登録制として、総務省が直接把握し、違反行為があった場合には、業務改善命令を行うことを提言しています。

    今後、国民からの意見を募り、1月に取りまとめ

    緊急提言の内容は、複雑化する料金プランや、代理店による販売手法など、これまでも指摘されてきた問題に、法律改正によって踏み込む内容となっています。
     
    総務省「モバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言(案)概要」
     
    総務省は今後、国民からのパブリックコメントを募った上で来年1月に緊急提言を取りまとめ、3月に中間報告として情報通信審議会の特別委員会に提出する予定です。
     
     
    Source:総務省
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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