「端末代金と通信料金の完全分離」義務付ける法改正が閣議決定、この夏施行へ

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携帯電話の端末代金と通信料金の完全分離の義務化、「2年縛り」や「4年縛り」の禁止などを盛り込んだ電気通信事業法の改正案が、閣議決定されました。今年の夏には施行される見込みです。

端末と通信の完全分離を義務付け

日本経済新聞などによると、政府は3月5日に電気通信事業法の改正案を閣議決定しました。今国会での改正法成立を目指し、この夏に施行される見込みです。
 
改正法が施行されれば、端末購入を条件として通信料金を割引するセット販売を禁止し、端末代金と通信料金が完全分離されるのが特徴です。
 
端末代金と通信料金のセット販売には、2年ごとなど端末を買い替えるユーザーは割引を受けられる一方、同じ端末を長期間使っているユーザーは通信料金が割高になることの不公平感が問題視されていました。

「2年縛り」「4年縛り」も禁止へ

また、「2年縛り」「4年縛り」と呼ばれる、顧客を長期間にわたって囲い込む販売手法も禁止されます。
 
これらの販売手法については、契約更新月以外に解約した場合の違約金が高いこと、「縛り」のない契約だと月額料金が割高になることなどが批判されていました。
 
中でも、4年間の契約を結び、2年経過後に端末を下取りに出すと実質負担額が半額になる、「4年縛り」と呼ばれる販売手法については、公正取引委員会も問題を指摘していました。

販売代理店は届け出制へ、総務省が直接指導も

このほか、携帯電話の販売代理店が届け出制となり、総務省が直接、代理店に業務改善命令を出せるように変更されます。
 
従来は、過剰なキャッシュバックなどが行われていた場合、総務省が携帯キャリアに注意していました。しかし、キャリア各社も代理店の施策を完全に把握できない場合もあることから、あまり実効性がないのが実情でした。

大きく変わるスマホ販売手法

携帯電話料金の値下げ議論は、2018年夏に菅義偉官房長官が「4割下げる余地がある」と発言して注目を集め、秋から総務省の有識者会議による議論が進められてきました。
 
有識者会議は昨年11月、通信と端末の完全分離をはじめ、電気通信事業法の改正の骨子となる「緊急提言」の案を取りまとめています。2月末には、改正法案が自民党の部会で承認されています。
 
これまで、新型iPhoneなど高額な端末も、携帯キャリアの長期契約を条件とした割引によって、「実質価格」を手頃に見せることで販売されていました。法改正後、スマートフォン販売の手法は大きく様変わりすることとなりそうです。

 
 
Source:日本経済新聞, 毎日新聞
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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