米裁判所、AppleによるQualcommの特許侵害3件を認める判決

米カリフォルニア州の裁判所は現地時間3月15日、Qualcommが主張するAppleによる特許侵害3件を認め、損害賠償として3,100万ドル(約34億円)の支払いをAppleに命じる判決を下しました。
iPhone1台につき1.41ドルの損害賠償
米チップメーカー大手のQualcommは、2017年7月以降に製造されたiPhoneに搭載されたチップが自社の特許を侵害していると主張し、Appleを相手取って訴訟を起こしました。
カリフォルニア州サンディエゴの裁判所がAppleによる特許侵害を認定したのは、iPhoneの電源投入直後にインターネットに接続する技術、画像処理技術、省電力技術の3件です。
Appleが支払いを命じられた3,100万ドルの損害賠償額は、Qualcommによる要求額を満額で認めたもので、iPhoneの販売台数に、1台あたり1.41ドル(約157円)を掛け合わせて算出されています。
これは、対象となるiPhoneがおよそ2,200万台販売された計算になります。
Appleは、この判決について控訴するか否かを明らかにしていません。
約2年前から始まった法廷闘争
AppleとQualcommの法廷闘争は、2017年1月にQualcommがモデムチップの独占的な地位を利用して不当な契約を結ばせている、とAppleが米連邦取引委員会に訴えたのが始まりです。
対するQualcommは、Appleによる特許侵害を主張し、アメリカをはじめ世界各地でiPhoneの輸入販売差し止めを求める訴訟を起こしました。
2018年末、中国とドイツの裁判所は、相次いでiPhoneの一部モデルについて輸入販売差し止めの予備的差止命令を下しています。
Appleは、ドイツ国内の直営店とオンラインストアでiPhone7/7 PlusとiPhone8/8 Plusの販売を停止していましたが、搭載するチップをQualcomm製に変更したうえで2月に販売を再開しています。
Source:CNET, AppleInsider, Qualcomm
(hato)