Qualcomm、Appleに3,100万ドルの支払いを要求

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Qualcommは米カリフォルニア州サンディエゴの裁判所で、現地時間3月7日から始まった裁判において、Appleが3件の特許を侵害したとして3,100万ドル(約34億4,600万円)の損害賠償支払いを要求しました。CNETが報じています。

iPhone 1台あたり1.40ドルを請求

Qualcommは、2017年7月以降販売された、Intel製モデムチップを搭載したiPhoneが、同社の3件の特許を侵害していると主張しています。正確にいうと、特許侵害とされているのはIntel製チップではなく、同チップと合わせてiPhone7/7 Plus/8/8 Plusに搭載されているQorvo製チップです。
 
3,100万ドルという請求額は、特許を侵害しているiPhone 1台あたり1.40ドルで換算した金額とのことです。

2年前から始まった2社の争い

AppleとQualcommの争いの始まりは、2年前までさかのぼります。Appleは2017年1月、Qualcommが特権的な立場を利用して、不公平な特許交渉や過剰請求を行っているとして提訴しました。この訴えの前に米連邦取引委員会(FTC)も、Qualcommを独占禁止法違反で提訴しています。
 
その後Appleは、Qualcommへのロイヤルティー支払いを停止、それまでiPhoneに採用していたQualcomm製のモデムチップをIntel製へと切り替えました。
 
一方のQualcommは、Appleにロイヤルティー支払いを求めるとともに、同社のモデムを搭載するiPhoneやiPadの米国への輸入・販売停止を申請しています。
 
続いてAppleのサプライヤー4社が独占禁止法違反でQualcommを提訴、Qualcommの主張を認め中国の裁判所がiPhoneの販売を禁止ドイツでも一部iPhoneの販売が禁止と、両社の争いはまさに泥沼の様相を呈しています。
 
現在行われている裁判は特許違反に関するものであり、より技術的な内容となっています。来週、Apple側の証人である元Appleの技術者が、証人台に立つ予定です。
 
なおQualcommの独占禁止法違反についての裁判は、4月に行われる見通しです。

 
 
Source:CNET
Photo:Qualcomm
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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