HuaweiとZTEの製品・サービス、日本政府調達から排除へ

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Huawei ZTE ロゴ
 
政府関係者が使用する製品・サービスから、HuaweiZTEを排除する方針を日本政府が固めていることが、Reutersの取材によって複数の関係者筋から明らかとなりました。

アメリカからの働きかけも関係か

HuaweiZTEはともに中国の大手スマートフォンベンダーとして知られ、中でもHuaweiは出荷台数シェアランキングでAppleを抜いて世界第2位につけるほどの企業です。それだけの企業を日本政府が排除するのは、ひとえに「セキュリティ上の懸念」が各国で取りざたされてきたからです。
 
すでにアメリカを始めとして、オーストラリアやニュージーランド、イギリスなどが積極的な締め出しに舵を切っていることから、日本もリスク回避を目的として、8月の入札対象除外に続いて先進国の流れに乗ったと考えられます。また、先日「アメリカが同盟国にHuawei締め出しを提案している」と報じられたことや、Huaweiの最高財務責任者(CFO)が逮捕されたこととも無関係ではないと考えられます。
 
Reutersによれば、菅義偉官房長官も「具体的な取り組み状況についてコメントすることは控える」としつつ、「わが国全体のサイバーセキュリティーの向上に向けて、引き続きさまざまな観点からしっかり取り組んでいきたい」と述べており、報道を大筋で認めているようです。

今のところは政府調達だけだが

日本政府が排除に動くのは、現時点ではあくまでも政府自身が調達する製品・サービスのみです。
 
したがって、国内スマートフォン市場で販売されているHuaweiの端末が一斉に排除されるということではありません。しかし、端を発するきっかけとなったアメリカでは、HuaweiもZTEも業務存続が危うい状態に陥っていることを思うと、政府調達ぶんからの排除が市場に何の影響も与えないと考えるのは難しいでしょう。
 
Huaweiのスマートフォンは、カメラ性能が良いことなどから日本でも消費者の間で人気が高く、先日も国内で発売されたばかりのフラッグシップモデルMate 20 Proが、日次販売台数ランキング(BCN調べ)でiPhone8を抜いて1位に輝いたばかりです。
 
そんなHuaweiが「我々と価値観を共有しない外国政府がバックについている企業」だからという、政治的な理由や潜在リスクを理由として、市場からも締め出される日が来るとすれば、消費者にとっては何とも残念な政策と言わざるを得ません。
 
 
Source:Reuters,BCN
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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