iOS12では迷惑電話やスパムメッセージの「報告」が可能に

iOS12では、迷惑電話やスパムメッセージを「報告」する機能が追加されることが開発者向け文書から明らかになりました。新機能追加の背景には、Appleとインド政府の問題が関係しているのではないか、との指摘もあります。
追加される「報告」ボタン
Appleが開発者向けWebサイトで、スパムSMSや迷惑電話を報告する機能について詳しく解説しています。
この機能を有効にするには、設定アプリで「不要なコミュニケーション」をオンにしておく必要があります。
電話アプリの「履歴」タブで迷惑電話を左にスワイプすると、iOS11では「削除」だけですが、iOS12では「報告」も表示されます。

iOS11「電話」アプリで通話履歴を左にスワイプした表示
メッセージアプリでも、スパムメッセージを左にスワイプすると、iOS11の「通知を非表示」「削除」に加えて、「報告」が追加されます。

iOS11の「メッセージ」アプリでメッセージを左にスワイプした表示
「報告」が選択された場合、iOSデバイスは通話やメッセージの付随情報をまとめて送信します。

インド政府を意識した機能?
米メディア9to5Macは「注目すべきは、この機能がAppleが提供するのではなく、サードパーティに実装を求めていることだ」と指摘しています。
インドメディアMediaNamaは、Appleがインド政府の開発したスパムメール・迷惑電話報告アプリをApp Storeの審査で却下したことで政府高官が激怒した事件が関係しているのではないか、と報じています。アプリはその後、Appleとインド当局の協議の結果、公開されています。
急激な経済発展を続けるインドは、Appleにとって魅力的な有望市場でもあるのですが、迷惑電話やスパムメールが社会問題化しています。
インドの電気通信規制庁(TRAI)は、ユーザーが迷惑電話やスパムメールをTRAIに報告できるアプリ「Do Not Disturb」を開発しました。アプリからの報告件数が多い発信元は、TRAIが通信事業者に指示してブロックさせるのですが、Appleは「プライバシー保護ポリシーに反する」として同アプリを却下していました。