iPhone X、当初は2018年にリリース予定だった~デザインを大急ぎで確定

iPhone X Apple公式
 
なぜiPhone7の次がiPhone8で、しかも同時発売の上位モデルがiPhone X(テン)なのでしょうか。「7s」や「9」はどこへ行ったのでしょうか。なぜiPhone8とiPhone Xとは、こんなにも形が違うのでしょうか。
 
「これまでのiPhone」と、iPhone Xとの間に何かが欠落しているような気がするのも無理はありません。Apple幹部によると、本来iPhone Xとされる端末は、2018年に出すはずのモデルだったそうです。

昨年11月の時点でデザインを決める必要があった

2018年の予定が2017年へと前倒しされたことで、「指紋認証センサーを背面か、ガラス越しか、あるいは側面に配置するかなんて検討する時間もなかった (つまり指紋認証センサーの搭載はまったく検討しなかったという意味)」と本音を暴露したのは、Appleでハードウェア・エンジニアリング部門の副社長を務めるダン・リッキオ氏です。
 
一般的には、当初Appleは指紋認証(Touch ID)のディスプレイ埋め込みを計画していたものの、技術的課題を解決できず、土壇場になって顔認証(Face ID)へと切り替えざるを得なかったと考えられていました。
 
iPhone X Face ID TrueDepthカメラ
 
しかし、リッキオ氏は「今年発売するには、デザインを早々に固めなければならなかった。昨年の11月だ」と述べており、Touch IDの動向が取りざたされるようになる前から、すでにAppleがFace IDを前提に調整を重ねていたことが分かります。
 
この証言は、「1年以上前からAppleはFace ID採用を決めていた」とする、Apple製品に詳しい著名ブロガーの見方とも一致します。
 
ちなみにインタビューを敢行したMashableによると、リッキオ氏のこの証言については、核心に触れる内容だったのか、同席していたAppleの広報から静止が途中で入ったとのことです。

PrimeSense買収当時は計画になかった

もっとも、リッキオ氏の暴露は止まりません。
 
Face IDの技術を確立する上で大きな役割を果たしたPrimeSenceについて、2013年にAppleが買収した当時、セキュリティ認証としてこの次世代技術を使うとは考えもよらなかったそうです。
 
face id 顔認証 iphone x
 
Appleに買収される以前、PrimeSenseのジェスチャー認識技術がXboxのキネクトに活かされていたように、当初は3Dマッピング技術をアニ文字のような軽い体験向けに用いることを考えていたのだとか。
 
結局のところ、「いつの日か活用する場所を見つけるだろう」と考えていたリッキオ氏の思いは、iPhone Xという形で4年がかりで結実することになります。
 
 
Source:Mashable via Cult of Mac 
 

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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