ソフトバンク傘下のSprint、約226億円で音楽配信のTidal株の33%を取得!

    Sprint Tidal

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    アメリカの携帯電話キャリア大手のSprintは現地時間1月23日、音楽配信サービスTidalの株式の33%を取得したと発表しました。契約者にTidalのサービスを提供し、同社サービスの魅力を高めたい考えです。

    約226億円で株式取得、マーケティング資金85億円を提供

    ソフトバンクが2013年に傘下に収めたSprintが、人気ミュージシャンJay-Zが経営するTidal株の33%を取得しました。Billboardによると、株式の取得額は約2億ドル(約226億円)、とのことです。
     
    Sprint Tidal
     
    Sprintの最高経営責任者(CEO)であるマルセロ・クロウレ氏がTidalの経営陣に加わる一方、Jay.Z氏は引き続きTidalの経営者としてとどまります。
     
    Sprintは、Tidalの独占アルバム配信などのマーケティング費用として、約7,500万ドル(約85億円)を提供するとBillboardが報じています。

    SprintとT-Mobileの合併、実現なら1.2億人の顧客基盤に

    先日、ソフトバンクの孫正義社長が就任前のドナルド・トランプ新大統領と会談し、米国内への巨額投資を約束したのは、SprintとT-Mobileの買収・合併を認めてもらうためだろう、と噂されています。
     
    両社の合併については、オバマ政権下の管轄当局が難色を示し、実現しなかった経緯があります。
     
    もし、両社の合併が実現すれば、Tidalは合計1億1,800万人の顧客基盤を獲得することとなります。

    Appleによる買収も報じられていたTidal

    Tidalは、カニエ・ウエストやマドンナといった人気アーティストの独占コンテンツを強みとしています。
     
    しかし、かねてより経営不振が囁かれており、昨年夏にはアーティストへのロイヤルティ支払い延滞も報じられていました。Apple Musicのコンテンツを強化したいAppleが約500億円で買収交渉している、と報じられて話題となったものの、後日、Appleは報道を否定していました。
     
    なお、Sprintは、昨年日本に上陸したSpotifyとの買収交渉が2014年に報じられたように、音楽配信サービスの獲得にかねてより意欲的でした。
     
    昨年10月には、AT&TがTime Warnerを買収するなど、スマートフォンの普及でキャリア独自のサービスの訴求が困難になり収益力が低下する「土管化」を回避するべく、大手キャリアが有力コンテンツの獲得に動いています。
     

     
     
    Source:Billboard, The Verge, Sprint
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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