Appleによる買収報道で注目のTidal、ロイヤリティを6ヵ月間未払いか
Appleによる買収が報じられている音楽配信サービスのTidalが、多くの音楽レーベルやアーティストに対するロイヤリティを6か月にわたって支払っていない、と報じられています。
Tidalからアーティストやレーベルへの支払い、6か月滞納
先週、TidalがAppleと買収に向けた交渉をしている、とウォールストリート・ジャーナル紙が報じて話題となりました。買収額は約500億円になると見られています。
Tidalは2016年1月から、地元ノルウェーのレーベル約1,000社へのロイヤリティ支払いが滞っている、とノルウェーのDagens Næringsliv紙が報じています。
一般的に、配信サービス企業からレーベルやアーティストへの支払いは、ロイヤリティを集めて分配する仲介企業を通して行われており、Tidalは以前も支払いが滞ることはあったものの、ここまで大規模で長期の延滞は例がない、とのことです。
フォーブズの取材に対してTidalは、「ロイヤリティはすべて支払っており、アーティストやレーベルのもとに届いていないのであれば、問題は仲介会社にある」と主張したとのことです。
ユーザーによる再生データも把握できていないTidal
Tidalは、ユーザーが楽曲を再生することに伴って発生するデータを管理できておらず、ロイヤリティ支払いに必要な情報も整理できていない、と報じられています。
Tidal やApple Musicをはじめ、音楽ストリーミングサービスでは、楽曲の再生データをもとにアーティストやレーベルへの支払い額が決定するだけでなく、人気楽曲の把握やユーザーの統計情報は経営上、非常に重要な意味を持ちます。
Appleが買収交渉を有利に進める材料?
ロイヤリティ支払いの遅れの原因が、資金不足や人手不足、システムの問題など、どれであっても経営上、重要な問題を抱えていることは明らかです。
Appleがこの状況を知って買収交渉に臨んでいるとすれば、かなり有利に交渉を進めることが予想されます。これまでも経営不振がささやかれてきたTidalですが、買収に応じる日は近いのかもしれません。
Appleは、カニエ・ウエストやマドンナといった人気アーティストの独占コンテンツを持つTidalを獲得し、Apple Musicの魅力向上を狙っていると考えられています。
Source:Forbes Japan
(hato)