Appleの「プロジェクト・タイタン」は自動車開発ではない!大物アナリストが語る
「プロジェクト・タイタン」といえば、Appleの電気自動車開発プロジェクトのことを示す、と思われていますが、テクノロジー業界に詳しい著名アナリストが、「Appleは自動車を作ろうとはしていない」と語っています。
中止するようなプロジェクトにエース級人材を投入するか?
先日、Appleが自動車開発担当の数十名単位の従業員を解雇したと報じられ、Appleの自動車開発プロジェクト「プロジェクト・タイタン」が行き詰っているのではないか、と噂されています。
しかし、Appleは7月下旬、製品開発担当役員としてMacBook AirやiPad、Apple Watchの開発を率いたボブ・マンスフィールド氏というエース級の人材を「プロジェクト・タイタン」に投入しています。
テクノロジー業界に精通し、これまでもAppleに関しても多くの知見を披露してきたティム・バジャリン氏は、「プロジェクト・タイタンを中止するなら、なぜマンスフィールド氏を投入したのか」と疑問を呈します。
バジャリン氏は、マンスフィールド氏が「プロジェクト・タイタン」を精査し、プロジェクトの狙いを絞ったために解雇が発生したのだろう、と分析しています。
CarPlayが発展、自動車のスマート化
自動車関連産業から多くの人材を引き抜いていたとはいえ、Appleが旧来の自動車産業を相手に戦うとは考えにくい、と指摘し、「プロジェクト・タイタン」の狙いはCarPlayを拡張した、自動車のスマート化ではないか、とバジャリン氏は語ります。
各種センサーやカメラと組み合わされ、ダッシュボードにiPadを置くと機能する「自動運転キット」は、自動運転車を新車で買うより、はるかに安く上がり、これからの「金の鉱脈」になる可能性を持っています。
また、Googleの自動運転車のように、天井に不細工な360度カメラが載るデザインは、ジョナサン・アイブ氏とそのデザインチームは絶対に避けるだろう、とも指摘しています。
マクラーレン買収報道とも共通点
Appleが「プロジェクト・タイタン」で開発しているのは、自動車ではなく自動運転や運転支援のソフトウェアだ、というのがバジャリン氏の主張です。
これは、先日報じられて話題となったAppleによるMcLaren(マクラーレン)買収について、Appleの狙いはマクラーレンではなく、先端的な研究開発力を持つMcLaren Applied Technologies(MAT)という子会社だ、という指摘と通じるものがあります。
テスタ・モータースのイーロン・マスクCEOが「公然の秘密」と語っていた「プロジェクト・タイタン」の真相は、きっと数年後に明らかになります。