Xiaomi創業者がAppleのEV開発断念にショック!「車を作る難しさ」語る

Xiaomi SU7

Apple Carの開発断念は、投資家や一般人だけでなく他企業にも少なくない衝撃を与えているようです。スマートフォン企業としてグローバルシェアを分け合う、Xiaomi創業者のレイ・ジュン(雷軍)最高経営責任者(CEO)が、AppleのEVプロジェクト放棄について思いを語りました。

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AppleのEV開発断念は「とてもショックだ」

レイ・ジュンCEOは28日(現地時間)、Appleが電気自動車(EV)プロジェクトを断念したことについて、SNS微博で「とてもショックだ」と率直に胸の内を語りました。

規模、技術ともにテック業界をけん引するAppleですら、自社でのEV開発を諦めざるを得なかったのは「いかに車を作るのが難しいか」の証拠だと、同じくEV生産を手掛ける企業として理解を示しました。

そのうえでXiaomiの決断は揺らがないとし、すでにリリース済の「SU7」シリーズを始めとする、EV開発の継続を改めて強調することも忘れませんでした。

「まるでタイタニック」迷走明らかだったApple Car

自動運転が可能なAIを搭載したEVの開発プロジェクトは、Apple社内で「Project Titan」と呼ばれており、情報が世間に漏れ出てきた2016年頃には、大きな盛り上がりをみせていました。

しかし、プロジェクトは大風呂敷を広げたはいいものの、車を作るのか、システムを作るのか、自動運転は諦めるのかなど、方針の度重なる変更ばかりが伝わってくる始末で、社内では混乱が続いていたそうです。

Appleは今回、全社員にプロジェクトの断念を正式通達したそうですが、社内では以前から「タイタニック(Titanic)の悲劇」と呼ばれていたとの噂もあり、予定されていた2025年の発表には到底間に合いそうもない雰囲気でした(ただし、EVは技術的にリリース可能だったものの、採算を懸念してプロジェクトを断念したとの見方もあります)。

“Appleの模倣者”と笑われた過去があるからこそ

レイ・ジュンCEOの嘆きが持つ意味を理解するには、ここまでXiaomiが辿ってきた軌跡にも触れておかなければなりません。

今でこそXiaomiは、中国スマホという垣根を越えた、グローバルな巨大スマートフォン企業として世界各国に君臨していますが、10年ほど前までは“露骨なAppleの模倣”の代名詞でもありました。

その模倣ぶりは、レイ・ジュンCEO本人がスティーブ・ジョブズを意識して青ジーンズで新作発表会に登壇するほど徹底していました。

裏を返せば、それだけ彼にとってAppleは憧れの存在でもありました。だからこそ先行していた同社の後を追うべく「わが企業家人生で最後の挑戦」と銘打ってまで、あえてEV開発に参画したのは、今回の動揺ぶりを見るに想像に難くありません。

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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