YouTube、方針を一転しVision Pro向けアプリの開発を示唆
Apple Vision Proでは発売当初にYouTubeアプリを利用することはできませんが、YouTubeは現地時間2月5日、「Vision Pro向けアプリが開発ロードマップ(行程表)にある」ことを明らかにしました。また、「YouTubeユーザーがSafariで素晴らしい体験ができるようにすること」にも注力していると述べています。
同社は今年1月、Vision Pro向けに特化したアプリを構築しないと発表し、同ハードウェア上でiPad向けアプリの実行を許可しないとしていましたが、この声明を撤回することとなりました。
■3行で分かる、この記事のポイント
1.YouTube、「Vision Pro向けアプリがロードマップにある」ことを明らかに。
2.YouTubeは以前、Vision Pro向けアプリを構築しないとしていた。
3.NetflixやSpotifyはVision Pro向けアプリをリリースする予定なし。
YouTubeはVision Pro向けアプリを提供する可能性
YouTubeの広報担当者はThe Vergeへの声明で、次のように述べています。
私たちはVision Proの発売を楽しみにしており、YouTubeユーザーがSafariで素晴らしい体験ができるようサポートします。現時点では共有できる具体的な計画はありませんが、Vision Pro向けアプリが私たちのロードマップにあることは確かです。
「Vision Proアプリ」という言い方は、単なるiPad互換モードではなくネイティブクライアントという意味に捉えられますが、YouTubeは詳細を明らかにしませんでした。なお、同社は現在、Vision Proのユーザーに対してSafari経由でYouTubeにアクセスすることを推奨しています。
ちなみに、YouTubeは2011年から3D動画を、2016年から360度動画をサポートしていますが、Vision Proではどれも動作しません。Appleは、これらのコンテンツの多くは、高品質な空間体験を提供しないデバイス向けに作成されており、場合によっては動きの不快感を引き起こす可能性があると述べているため、3D動画及び360度動画はVision Proでは動作しない可能性が高いです。
NetflixやSpotifyはVision Pro向けアプリを提供せず
YouTubeはVision Pro向けアプリを開発しないという声明を撤回しましたが、今のところ、NetflixやSpotifyはVision Pro向けアプリをリリースする予定がないと報じられています。
Netflixの共同最高責任者(co-CEO)のグレッグ・ピーターズ氏は、Vision Proアプリを提供しない理由を「デバイス(Vision Pro)はかなりニッチであり、多くの会員にとってあまり関係ない」からとインタビューで述べていました。ただし、Visin Pro向けアプリを提供しない代わりに、ヘッドセット上のSafariやそのほかのWebブラウザからはNetflixにアクセスできるということです。
Spotifyについては、Visin Pro向けアプリを開発しないだけでなく、iPad向けアプリをVision Proに対応させることもないと伝えられています。
Vision Proの今年の出荷台数は50万台を超えると予想されていますが、Netflixだけでなく、その他サービスを利用する多くの人にとって、Visin Pro向けアプリがあるかどうかは関係なく、その市場に参入するメリットがないと考える企業が存在するのも当然かもしれません。
しかしそれは現時点の状況であり、仮想空間市場は拡大傾向にあるため、今後さらに市場が大きくなればNetflixやSpotifyも、その市場を無視することはできなくなるでしょう。
Photo:Apple
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