iPad Pro(2024)用OLEDディスプレイ獲得目的で、新型開発に投資〜BOE

iPad Pro Magsafe AH

iPad Pro Magsafe AH
 
韓国メディアThe Elecが、中国BOEはiPad Pro(2024)用有機EL(OLED)ディスプレイパネルを受注すべく、それに必要な技術を獲得するためにまずはスマートフォン用2層スタック型OLEDディスプレイパネルの量産を計画していると報じました。

BOE、スマートフォン向けで経験を積み、iPad向けの獲得目指す

LG DisplayとSamsung Displayは、2024年にiPad Pro2層スタック型OLEDディスプレイパネルを供給するとみられています。
 
The Elecは2層スタック型OLEDディスプレイパネルについて、既存の1層のものよりも明るく長寿命で、消費電力を30%削減できると述べています。
 
現在、2層スタック型OLEDディスプレイパネルを量産しているのはLG Displayだけで、同社は車載ディスプレイ用として出荷しています。
 
BOEが2022年下半期(7月〜12月)に、スマートフォン用2層スタック型OLEDディスプレイパネルの開発に成功した場合、業界初の事例になります。
 
BOEはスマートフォン用2層スタック型OLEDディスプレイパネルの製造で技術を蓄積し、iPad Pro用2層スタック型OLEDディスプレイパネルを受注すべく、計画しているとThe Elecは記しています。

中国のスマートフォンメーカーと供給協議中

The Elecは、BOEは現在、中国のスマートフォンメーカーと2層スタック型OLEDディスプレイパネルの供給について協議していると伝えています。
 
スマートフォンメーカーは当初、BOEに対して低温多結晶酸化物(LTPO) – 薄膜トランジスタ(TFT)方式OLEDディスプレイパネルの供給を求めたようですが、それに対してBOEは多結晶低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Polycrystalline Silicon)OLEDディスプレイパネルにこだわったと、The Elecは説明しています。
 
その理由について同メディアは、2層スタック型LTPS-TFT-OLEDディスプレイでの消費電力削減率は1層LTPS-TFT-OLEDディスプレイに対して30%で、1層LTPO-TFT-OLEDディスプレイパネルの削減率5%〜10%よりも効果が大きいことを挙げています。
 
また、LTPO-TFT-OLEDディスプレイパネル製造ラインにおける工程増加と、良品率低下に伴うコスト上昇が懸念されるのもその背景にあるようです。

Appleとの関係深めるBOE

BOEはOLEDディスプレイパネル供給においてAppleとの関係を深めており、2023年にはLG Displayの供給数を上回ると予想されています。
 
 
Source:The Elec
Photo:Apple Hub/Facebook
(FT729)

この記事がお役に立ったらシェアお願いします

この記事を書いた人

ZAURUS PI-6000以降、PDA、PC、Apple製品を多数使用するガジェット愛好家。iPhone Maniaでは2020年2月より、リーク情報、最新のApple製品情報、秋葉原情報を配信。Palm Treo 750vを米国で使用して以降、各種スマホ愛用中

特集

目次