アメリカの若者に「iPhone同調圧力」?Google幹部がAppleを批判

    Apple iMessage

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    アメリカの大学生などの若者たちの間で、グループメッセージのやり取りでiPhoneiMessageを使っていないと仲間外れにされる、という同調圧力が働いている、とThe Wall Street Journal(WSJ)が報じています。記事では、Googleの役員がAppleの囲い込み戦略を「不誠実だ」と批判しています。

    グリーンの吹き出しのAndroidユーザーは仲間外れに

    アメリカの大学生たちの間で、メッセージの送受信時の吹き出しがiPhoneiMessageではブルーなのに対して、Androidデバイスから送信されたSMSはグリーンになることを巡って、グループチャットでグリーンの吹き出しだと仲間外れにされる現象が発生している、とWSJが報じています。
     
    iMessageで利用できるミー文字や簡単にリアクションできるTapbackなどのオリジナル機能が若者に人気が高く、これらが利用できないAndroidユーザーが疎外感を味わうことが多く、若者の間で同調圧力が働いている、とWSJは報じています。

    アメリカの若者の間で高い支持率誇るiPhone

    アメリカの若者の間でiPhoneが高く支持されている傾向は、複数の市場調査からも明らかになっています。
     
    市場調査会社CIRPの調査によると、アメリカの消費者全体ではiPhoneのシェアは40%程度ですが、18歳〜24歳の世代では70%以上と非常に高いことが分かっています。
     
    金融サービス会社Piper Sandlerの調査では、アメリカの10代におけるiPhoneのシェアは87%で、そのうち88%は次もiPhoneを使いたいと考えているとの結果も出ています。

    Google役員「Appleのやり方は不誠実」と批判

    Googleのプラットフォーム及びエコシステム担当上級副社長であるヒロシ・ロックハイマー氏は、AppleがiMessageを業界標準のメッセージサービスRCS(Rich Communications Services)に対応させないことを批判しています。
     
    同氏は、RCSへの対応という解決策があるにもかかわらずその方法を取らないAppleの囲い込み戦略について「同調圧力を用いて製品を売ろうとしていて、不誠実だ」と批判しています。
     
    2019年1月にAppleがRCSへの対応を検討しているようだと報じられていますが、現時点では具体的な発表はありません。
     


     

    AppleはAndroidにiMessageを提供する計画なし

    2013年頃にApple社内で、Android向けにiMessageを提供する可能性が議論されていたことが、Epic Gamesとの訴訟資料から明らかになっています。しかし、この議論から8年以上が経ってもiMessageのAndroid対応の計画は発表されていません。
     
    Appleは、iMessageについてエンド・トゥ・エンドで暗号化され、メッセージ内容が盗み見される心配のない安全なサービスであることを強調しています。
     
    なお、2021年に公開されたiOS15などのOSからは、iMessageと同様にAppleの独自機能であるFaceTimeビデオ通話が、WindowsやAndroidのユーザーでも利用可能になっています。

     
     
    Source:The Wall Street Journal
    Photo:Apple
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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