iPhone13/13 Proを専門企業が分解、A15はGPUコア無効化して差別化?
プロセッサや各種部品の分析専門会社であるTechInsightsが、iPhone13 Proを分解し、ロジックボードの搭載部品に関する製造企業や品番などを明らかにしました。同社は、iPhone13 ProとiPhone13に搭載されたA15 Bionicの比較結果も報告しています。
iPhone13 Proの搭載部品を詳細解説
TechInsightsが分解調査したのは、iPhone13 Proのモデル番号「A2636」、ストレージ容量256GBモデルです。
ロジックボード表面
- 青色:Apple APL1W07 A15 Bionic PoP(A15 AP + SK hynix 6GB LPDDR4X SDRAM)
- 紺色:Apple APL1098 電源管理IC
- 紫色:NXP Display Port マルチプレクサ(多重器)
- 赤色:Skyworks SKY58271-19 フロントエンド・モジュール
- 水色:Skyworks SKY58271-17 フロントエンド・モジュール
- 緑色:Apple/Dialog Semi 338S00770-B0 電源管理IC
- 黄緑色:Apple/Dialog Semi 338S00762-A1 電源管理IC
- 橙色:STMicroelectronics STB601A05 電源管理IC
- 桃色:USI Apple U1 超広帯域無線(UWB)モジュール
- 黄色:Texas Instruments TPS65657B0 電力供給用部品
ロジックボード裏面
- 紺色:Apple/Cirrus Logic オーディオ・アンプ
- 赤色:Apple/Cirrus Logic 変電用部品
- 水色:NXP SN210 NFC & セキュア・エレメント
- 緑色:KIOXIA 256 GB NAND Flash
- 黄色:Apple/Cirrus Logic オーディオ・コーデック
通信関連基板
- 青色:Qualcomm Snapdragon X60 5Gモデム
- 紺色:Qualcomm RFトランシーバー
- 紫色:USI Wi-Fi/Bluetooth ワイヤレス・コンボ・モジュール
- 赤色:Qualcomm PMX60 電源管理IC
- 水色:STMicroelectronics セキュア・マイクロコントローラ/eSIM
- 緑色:Qorvo エンベロープトラッカーIC
- 黄緑色:Qualcomm エンベロープトラッカーIC
- 橙色:Avago フロントエンド・モジュール
- 桃色:Broadcom ワイヤレス充電 受信IC
A15 Bionicについて
iPhone13 Proのモデル番号「A2636」、ストレージ容量256GBモデルには、A15アプリケーションプロセッサとSK Hynix LPDDR4X SDRAM(H9HKNNNEDMMVHR-NEH)の両方を搭載したパッケージ・オン・パッケージ(PoP)が搭載されており、RAM容量6GBである可能性が高いとTechInsightsは報告しています。
TechInsightsはiPhone13も入手しており、双方のA15 Bionicを比較しています。
搭載されるA15 Bionicの部品番号はともに、「APL1W07」でした。
iPhone13とiPhone13 ProのA15 Bionicは同じもの?
iPhone13 ProシリーズとiPhone13シリーズに搭載されるA15 Bionicは、GPUコア数が異なることが明らかになっています。
両モデルに搭載されているA15 Bionic「APL1W07」は、ダイマークが同じ「TMMU71」、ダイサイズ(ダイシールエッジ)は8.58ミリ x 12.55ミリ = 107.68平方ミリメートルで、A14 Bionicと比較してダイサイズが22.82%拡大しています。
ダイ写真にて、2つのA15 Bionicを比較報告予定
今回の分解結果からTechInsightsは、AppleはA12ZとA12Xの差別化と同じことをA15 Bionicで行った可能性があると指摘、今後、ダイの詳細な分析を行い結果を報告すると記しています。
Source:TechInsights
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