日米の携帯・スマホ市場を比較、下取り利用意向や補償加入率に違い

    iFixit iPhone11 Pro バッテリー交換

    iFixit iPhone11 Pro バッテリー交換
     
    MMD研究所は、日米のスマートフォン・携帯電話ユーザーを対象に実施した「2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」の第2弾となる結果レポートを公開しました。下取りサービスや補償サービスに焦点を当てています。

    不要端末の下取りサービス利用意向は日本60.5%、米国70.5%

    MMD研究所が公開した「2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」の第2弾レポートは、日米の中古端末利用状況などを比較した第1弾レポートに続くものです。
     
    日本とアメリカのスマートフォン・携帯電話ユーザーに、次回の端末購入時に「下取りサービス(下取りプログラム)」を利用したいか尋ねたところ、「とても利用したい」「やや利用したい」を合算した利用意向者は、日本の60.5%に対して、アメリカ70.5%と、アメリカが10ポイント高く、2019年3月に実施した前回調査と同様の傾向となっています。
     
    MMD研究所「2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」第2弾
     

    下取りで重視するのは「データ消去」がトップ

    携帯電話端末の下取りサービスに期待することとして、「重視する」の回答割合は、日本のトップ3は「端末データが消去されること」59.7%、「処分方法が明確であること」が51.6%、「手続きが簡単であること」が50.2%でした。
     
    アメリカでは「端末データが消去されること」58.8%、「手続きが簡単であること」47.4%、「処分方法が明確であること」40.9%で、日米ともにトップ3項目は共通しています。
     
    MMD研究所「2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」第2弾
     

    補償サービス加入率は日本50%、米国32.8%

    携帯電話端末の補償サービス加入状況は、日本では「通信会社が提供している補償サービスに加入」が35.1%でトップ、次いで「補償サービスには加入していない」が32.9%でした。
     
    アメリカでは「補償サービスには加入していない」が44.4%でトップ、次いで「補償サービスには加入しているかどうかわからない」が22.8%でした。
     
    「通信会社」「メーカー」「その他」のなんらかの補償サービスに加入している割合は、日本の50%に対してアメリカは32.8%と、日本のほうが補償サービスへの加入率が高い傾向にあります。
     
    MMD研究所「2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」第2弾
     

    処分方法選択理由トップは日本は「簡単」、米国は「安心」

    以前利用していた携帯電話・スマートフォンを売却した日米の回答者に、処分方法を選んだ理由について「処分した際に得られる金額が高いから」「処分が簡単だから」「きちんとデータが消去されて安心だと思ったから」の3つの理由について、5段階で答えてもらったのが以下のグラフです。
     
    「あてはまる」「ややあてはまる」の合計は、日本では「処分が簡単だから」が75.5%でトップ、アメリカでは「きちんとデータが消去されて安心だと思ったから」が77.2%でトップとなりました。
     
    MMD研究所「2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」第2弾
     

    故障の経験率は日米とも半数、内容は「バッテリーの持ち」がトップ

    携帯電話の故障や不具合が発生した経験がある回答者は、日本52.4%、アメリカ51.3%と、日米ともに約半数です。
     
    MMD研究所「2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」第2弾
     
    故障や不具合の内容は、日本の上位3項目は「著しくバッテリーが持たなくなった」38.9%、「動作が遅くなった」31.5%、「フリーズした」30.5%の順でした。
     
    アメリカでは、「著しくバッテリーが持たなくなった」37.9%、「動作が遅くなった」32.0%、「画面が割れた」23.2%の順でした。
     
    MMD研究所「2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」第2弾
     

    故障や不具合でも「修理に出さなかった」が日米とも最多

    故障や不具合を経験した人の修理状況は、日米ともどこにも相談もせず、修理にも出さなかった」が最多(日本44.7%、アメリカ32.9%)でした。
     
    修理に出した人の中では、「通信会社の店舗に行って修理に出した」が日本21.2%、アメリカ21.3%でトップで、続いて「端末メーカーの店舗(Apple Storeなど)に行って修理に出した」が日本11.3%、アメリカ12.9%となりました。
     
    MMD研究所「2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」第2弾
     

    修理に出さない理由は「まだ使えそう」「面倒」「費用が高そう」

    修理に出さなかった人の理由は、日本では「修理しなくても使えそうだったから」が38.2%で最多、以下「修理に出すのが面倒だったから」32.7%、「修理費用が高額になりそうだったから」30.2%などと続いています。
     
    アメリカでは、「修理しなくても使えそうだったから」が49.8%で最多、以下「修理費用が高額になりそうだったから」39.9%、「修理に出すのが面倒だったから」29.2%と続いています。
     
    MMD研究所「2020年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」第2弾
     

    日本の中古端末市場は工夫次第で拡大、と専門家

    調査結果についてモバイル研究家の木暮祐一氏は、日本とアメリカでは回線契約と端末販売がセットで提供されるのが定着している点が共通していることを指摘しています。
     
    また、日本の中古端末市場はアメリカと比べて小さいものの、下取り時にデータが確実に消去されるという安心感の訴求、不要になった端末をスムーズに処分できるサービス体制、中古端末購入後の補償サービスのアピールなどの工夫によって、成長できる余地があるのではないか、と述べています。

     
     
    Source:MMD研究所
    Photo:iFixit
    (hato)

    この記事がお役に立ったらシェアお願いします
    目次