日米のスマホ利用者、「故障してもそのまま使う」が約4割

    iFixit iPhone6s

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    MMD研究所とオークネット総合研究所は、「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」の第2弾として、スマートフォン下取りサービスや端末の補償サービスについてのレポートを公開しました。

    「下取り」利用意向は日本61.6%、アメリカ70%

    今回の調査は、前回レポートをご紹介した調査と同じく、2019年3月22日~4月9日の期間、15歳から69歳の男女を対象としてインターネットで実施されました。日本では1,010人、アメリカでは1,111人から有効回答を得ています。
     

    次回の携帯電話購入時、「下取りサービス」を利用したいか尋ねたところ、「とても利用したい」「やや利用したい」を足した利用意向は、日本61.6%、アメリカ70.0%で、アメリカの方が利用意向がやや高くなっています。
     
    MMD研究所 「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
     

    「下取り」利用経験者の再利用意向は高い

    下取りサービスの利用意向率を、以前利用していた携帯電話の処分方法の上位3項目別に見ると、日本の回答者は「自宅に保管」の52.4%、「通信キャリアの下取りサービスを利用」の90.3%、「携帯電話買取店へ売却」の81.9%が、下取りサービスを利用したいと回答しています。
     
    MMD研究所 「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」 
    アメリカの回答者は、「自宅に保管」の65.0%、「通信キャリアの下取りサービスを利用」の92.7%、「家族・友人に譲った」の68.4%が、下取りサービスを利用したいと回答しています。
     
    MMD研究所 「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
     
    日米ともに、すでに下取りサービスを利用しているユーザーは、次も下取りを利用したいと考えている傾向がみられます。

    「下取り」に期待することは日米とも「データの消去」がトップ

    下取りサービスに期待することを日米の回答者に聞くと、「重視する」の回答が高かかったのは、日本では「端末データが消去される」57.6%、「下取り金額が高い」51.9%、「手続きが簡単」51.0%の順でした。
     
    アメリカでは、「端末データが消去される」61.1%、次いで「手続きが簡単」49.3%、「下取り金額が高い」41.0%の順でした。
     
    日米ともに、端末データの消去がトップとなっています。
     
    MMD研究所 「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
     

    補償サービス、日本はキャリア、アメリカは「加入せず」が多い

    携帯電話の補償サービス加入状況は、日本では「通信キャリア提供の補償サービスに加入」が37.0%で最多、次いで「加入していない」が33.0%でした。
     
    アメリカでは、「加入していない」が49.1%で最多、次いで「加入しているかどうかわからない」が21.8%と、日本に比べて補償サービスへの関心が低いことが伺えます。
     
    MMD研究所 「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
     

    端末の不具合、日米とも約半数が経験

    携帯電話に故障や不具合の発生は、日本の56.3%、アメリカの49.2%と、それぞれ約半数のユーザーが経験しています
     
    MMD研究所 「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
     
    故障や不具合の経験者にその内容を聞くと、日本では「フリーズ」35.0%、「著しくバッテリーが持たなくなった」34.3%、「動作が遅くなった」30.8%の順で経験率の上位3項目となりました。
     
    アメリカでは、「著しくバッテリーが持たなくなった」33.8%、「動作が遅くなった」31.0%、「画面が割れた」23.9%が上位3項目でした。
     
    MMD研究所 「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
     

    故障や不具合あっても、日米とも約4割はそのまま使用

    故障や不具合の経験者に、修理について聞くと、日米ともに「どこにも相談せず、修理にも出さなかった」が日本43.4%、アメリカ38.0%で、どちらも「相談も修理もしなかった」が約4割で最多となりました。

     
    修理に出した先の上位2項目は、日米とも1位が「通信キャリアの店舗」、2位が「端末メーカーの店舗(Apple Storeなど)」でした。
     
    「通信キャリアの店舗」に持っていくユーザーは、日本23.9%、アメリカ14.8%と、日本の方が高くなっている一方、「端末メーカーの店舗(Apple Storeなど)」は、日本8.4%、アメリカ12.6%とアメリカで高くなっています。
     
    MMD研究所 「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
     

    修理に出さない理由、日本「面倒」、米国「まだ使える」がトップ

    端末を修理に出さなかった理由の上位3項目は、日本は「修理に出すのが面倒」35.6%、「修理しなくても使えそう」34.6%、「修理費用が高額になりそう」31.2%の順でした。
     
    アメリカは、「修理しなくても使えそう」50.4%、「修理費用が高額になりそう」38.5%、「修理に出すのが面倒」31.3%の順でした。
     
    MMD研究所 「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
     

    中古端末の流通拡大に向けた修理への信頼性、補償サービスのニーズ高まる

    調査結果についてモバイル研究家の木暮祐一氏は、今後、販売価格の上昇が見込まれるスマホ市場について、中古端末流通が確立され、スマホも自動車のように中古流通が当たり前になっていく、との見通しを示しています。
     
    そのうえで、中古端末市場の拡大のために、端末の修理に対する信頼性確保や補償サービスが求められる、と語っています。
     
    また、通信キャリアによる高価な補償サービスとは違った保険ビジネスなどの可能性も考えられそうだ、とコメントしています。
     
     
    Source:MMD研究所
    Photo:iFixit
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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