発表間近のiPhone11、カメラの「クロマキー」機能が注目ポイントか
9月登場予定のiPhone11シリーズは、iPhone11 Pro/Pro Maxがトリプルカメラになると考えられています。しかし、Appleは単にレンズの数だけでライバル企業と勝負するのではありません。
密かに開発を進めていたクロマキー技術
9月10日(現地時間)の発表が期待されているiPhone11シリーズは3モデルで、iPhone XS/XS Maxの後継となる上位2モデル(iPhone11 Pro/Pro Max)がトリプルカメラ(望遠+広角+超広角)、iPhone XRの後継となる廉価版(iPhone11)がデュアルカメラになる見込みです。暗所での撮影性能が向上するばかりか、超広角レンズの採用によって選択肢が大きく広がるのですが、レンズの数が増えるマイナーアップデートに過ぎないとする冷めた見方も一部アナリストの間には存在します。
しかし、Appleはこのカメラこそが“鍵”だと考えているようです。
先日公開されたiOS13のベータ版では、AIによる背景除去ツールがカメラに搭載されることが確認されています。これはAppleが2017年に買収したデンマーク企業Spektralの技術がベースになっており、被写体と背景をAIが区別し、被写体だけをリアルタイムで別の背景に埋め込む「クロマキー」なのではないか、と考えられています。
iPhone11限定のキラーコンテンツに?
単なる“遊び要素”に過ぎないではないか、と考える消費者も少なくはないでしょう。しかしiPhone Xより採用された、自身の顔を3Dアニメにはめ込んでステッカーのように使用できる「アニ文字」も同じように遊び要素でしたが、革新的な技術としてiPhoneの販売促進に大きく寄与しました。
ニュースサイトTom’s Guideは、SamsungやHuawei、Xiaomi、Oppoといったライバル企業の名を挙げ、ノッチのないデザインやディスプレイ上での指紋認証、5倍光学ズーム(一部端末は光学とデジタルを組み合わせて10倍ズーム)といった点で、Appleが彼らに対して遅れをとっていると指摘します。しかし、AIによるリアルタイム映像処理を本格的にカメラに取り込むことで、消費者の目を大きく引きつけることができるかも知れません。
もちろん、GPUに高い処理能力が備わっている端末で初めて可能になるものです。限定機能として注目を集めるという意味でも、実際にカメラでクロマキーが使用できるのは最新iPhoneのみとなる可能性が高いのではないか、とTom’s Guideは分析しています。
Source:Tom’s Guide
Photo:Cashkaro
(kihachi)