Apple、iPhoneとApple Watchによる認知症探知方法を共同研究
Appleは医薬品会社Eli Lillyと共同で、iPhoneとApple Watchを利用して、認知症の初期症状を探知できるかどうかの研究を行っていることがわかりました。
認知症やアルツハイマーを探知する方法を研究
今週公開された研究論文によれば、2社はヘルステックの新興企業Evidationと協力し、アルツハイマーなどの初期症状を、iPhoneとApple Watchで迅速かつ正確に見つける方法を研究しています。
Appleはこれまでに、スタンフォード大学、Johnson & Johnsonなどさまざまな教育機関や医療関連企業と共同で研究を行っていますが、Eli Lillyと組むのは今回が初となります。
Evidationの共同創業者であるクリスティン・レムケ氏は米CNBCに対し、次のように述べています。
この研究では、iPhone、Apple Watch、Beddit睡眠モニターで収集した日々の行動データが、軽度の認知症や初期のアルツハイマー症を持つ人々を識別するのに役立つかどうかを見ています。
米国では600万人以上、日本でも426万人(2012年)が認知症との調査結果があります。
ヘルスケア分野に力を入れるApple
最初の実験は12週間に渡って実施され、健康に問題のない82人と、認知症や初期の認知低下症状を持つ31人が参加しました。参加者にはiPhone、Apple Watch、Beddit睡眠モニターがそれぞれ提供されました。
実験の結果、初期の認知低下症状を持つ人々は健康な人々に比べ、入力速度が遅く、頻度も少なく、テキストメッセージの本数も少ない傾向にあることがわかりました。またサポートアプリに頼り切りで、調査アンケートをきちんと埋められないことが多かったようです。
Appleは認知症を持つ人々向けの製品やサービスは発表していませんが、心電図機能や転倒検出機能が追加された事実を見ても、同社がヘルスケア分野におけるApple Watchの活用範囲拡大を考えているのは明らかです。
またAppleはApple Watchでパーキンソン病の症状をモニタリングできるよう、「Movement Disorder(運動障害) API」をソフトウェアフレームワークResearchKitに追加しています。