決算報告から分かったこと〜一般消費者は1,000ドル超えのスマホを求めていない

    Apple Samsung ロゴ

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    先日AppleSamsungがそれぞれ業績発表を行いましたが、AppleはiPhone売上が低迷していると発表、Samsungも高額なGalaxy S10シリーズの売れ行きが伸び悩んでいることを明らかにしました。こうした事実から米メディアCNBCは、「多くの消費者は1,000ドル超えのスマートフォンを求めていない」と結論付けています。

    Apple、Samsungともにスマホの売上高が減少

    Appleによれば、2019年第3四半期(4月〜6月)におけるiPhoneの売上高は前年同期比12%減の259億8,600万ドルで、3四半期連続の減少となりました。これはアナリストの予想である263億1,000万ドルを下回る数字です。

     
    Samsung2019年第2四半期(4月〜6月)におけるモバイル事業の営業利益は1兆5,600億ウォンで、アナリストの予想を大きく下回りました。前年同期は2兆6,700億ウォン、前期は2兆2,700億ウォンでした。
     
    同社はこれについて、より安価な「Galaxy A」シリーズの出荷台数は伸びているものの、旗艦モデルである「Galaxy S10」の販売が低迷していると説明しています。

    スマホが売れない理由とは

    CNBCは両社のスマホの売上低迷についていくつかの理由を挙げています。
     
    ひとつめの理由は買い替えサイクルの長期化です。Bernsteinのアナリスト、トニー・サコナギ氏は今年2月、iPhoneの買い換え平均年数が今年は4年まで延びるとの予想を明らかにしました。
     
    ティム・クック最高経営責任者(CEO)も今年1月の業績見通し引き下げ発表の際に、経済成長の減速など複数の要因により、新型iPhoneへの買い換えが進まなくなっていると述べています。

     
    一般消費者にアピールする機能がない、というのが次の理由です。新技術や新製品に目がないユーザーは最新のハイエンドモデルを求めるでしょうが、一般的なユーザーが気にするのはバッテリーの持ち具合とカメラくらいです。
     
    そのカメラにしてもここ数年で一気に高性能化し、普通に撮影するには十分以上のレベルに達しています。

    1、2年で買い換える必要がない

    そしてもうひとつの理由が価格です。
     
    スマホメーカーもこうした事実を認識しています。その証拠に、Appleが昨年秋に発売した新モデルのひとつ「iPhone XR」は、総合的なスペックではiPhone XS/XS Maxに劣るものの、バッテリー持続時間と、シングルカメラながら「ぼかし」撮影などができるカメラをセールスポイントとし、価格は84,800円からと、2モデルよりも低めに抑えられています
     
    売上不振とされるSamsungのGalaxy S10+は999ドルと10万円超えですが、Galaxy A50は349ドル(約37,000円)です。またGoogleは今年5月、Pixel 3シリーズの廉価版となるPixel 3a/3a XLを出しています。
     
    CNBCは「AppleもSamsungも本当にすばらしいスマートフォンを出しているが、あまりにも優れているので、たった1、2年で新しいモデルに買い換える必要性がなくなっている。SamsungのGalaxy 8および9シリーズは今もまだ『十分いい』。そして大半の人はバッテリーさえ交換すれば、iPhone6でも問題ないと思っている」とまとめています。
     
     
    Source:CNBC
    (lunatic)

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